ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■公園矢の如し
日曜日、子供達を連れて公園に。

娘・R(7才)と息子・タク(5才)だけでなく近所の姉妹も一緒に遊ぶことになった。サッカーをやろうとしたらその姉妹のパパさんも公園に来たので、3対3のサッカーゲーム。パパ同士はそれぞれのチームのキーパーである。

僕らのチームが負けたのでタクが号泣する等のドタバタはあったが、子供達と遊んでいるとあっという間に時間が過ぎ去る。いつの間にか昼ご飯の時間になっていたのでとりあえず家に帰った。

午後になり、まだ体力が余っていてかつヒマそうだったので再び公園に連れて行く。するとその物音を聞きつけた姉妹もドドドドと外に出て来て、パパまで引っ張り出してきてしまった。

「いやー…寝てて…」

そのパパ、思いっきり寝起きで辛そうな顔をしている。朝が超早い仕事なので土日はいつも昼寝しているのだとか。そのシェスタ中のパパを姉妹が叩き起してしまったようだ。シェスタの邪魔するシスター。なんちて。

「僕が見ているから大丈夫ですよ」

とてつもなく眠そうなので寝直したらどうかと勧めると

「でも帰っちゃうと『Rちゃんパパは一緒にいてくれたのに』って言われちゃうからなあ…」

と苦笑いし、しばらくベンチに座って子供達を目で追っていたが、午前中、僕らはキーパーをやらなければならなかったサッカーとは違い、

「たかおにやろー!」

「わー!にげろー!」

オヤジ抜きでも好き勝手に遊び始めたので

「…じゃ、帰りますっ」

「おつかれっす」

姉妹パパは帰って行った。僕は残ったと言ってもやっぱりヒマなので、遊ぶ姿の写真でも撮るかとカメラを構えて子供達を追い掛けて行ったら、Rが突如として逃げ出すではないか。

「写真撮られたらアウトよ!写真鬼よ!みんな逃げろー!」

と叫びながら…。なにその新ルール。それを聞いた他の子達も爆竹のように弾け出し、

「うわー!撮るなー!」

タクなどはケリを入れてくる始末。もういい知らん、とベンチに戻ってひとり寂しくケータイでもいじることにした。

折りしも公園の真ん中では大学生のサークルと思われる15人程の一団がいて、演劇の練習をしていた。近くに日芸があるせいか、学生っぽい若者達が演劇や音楽の練習やら撮影やらをしている姿がよく見受けられる。

このグループも演劇サークルか何かなのだろうか。男女比率は7:3で、うち2組ぐらいが付き合っていて、そのサークル内惚れた腫れたの争いでひとりかふたりぐらいが辞めている…!

ヒマだったのでそんな勝手な想像をしながら眺めていたが、なんというか…。

「みんな起きなさい。朝よ!」

「たっくん赤ちゃんだからまだ寝てるバブー」

その横でままごとを始めたRとタク達と演技力がほぼ同じっていうか。更にヒマになった僕はティーでもドリンクするべかと、近くの雑貨屋の自販機でお茶を買い、戻って来ると姉妹のうちのお姉ちゃんがすっ飛んできた。

「どうしたの?」

「たっくんがトイレで大変なの!」

「えっ。何があったの?」

とりあえずトイレまで走る。子供達のそばにいる時は何もなくて、ちょっと離れたわずかの間に起こるとは。トラブルとはそんなものである。トイレの扉に手をかけるとカギは閉まってなかった。開けると洋式のトイレに泣きそうな顔をしてちょこんと座っているタクがいた。

「どうした!」

「うんち出たけど、トイレットペーパーがないいい」

ズコー!

幸いポケットティッシュを持っていたので

「これで拭け。ていうかまず流せ」

僕よりでかいんじゃないかってぐらいの作品をまず流させてからティッシュを渡した。さっきまではあまりにやることがないので、もうこれからは僕の付き添い無しで公園に遊びに来させてもいいかなあ…なんて考えていたけれども、まだまだ危なっかしいようだ。

話は変わるがこの公園、隣には教会があるんである。そんな教会のそばの公園なのに、

カミに見放されるとは…。

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02月28日(月)
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