ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■芸術の冬
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普段芸術などとは全然縁がなく、猥褻鑑賞ばかりしている僕が何故美術館なんぞに行くことになったかというと、娘・R(7才)の絵が展示されているからである。
授業で描いた絵がわりと上手かったらしく、先生が推薦して展示会に出したのだという。
「すごいよね」
「うん。いつも落書きしてたのがよかったのかな」
絵とか工作とかで一度たりとも推薦を受けたり賞を貰ったりしたことがない僕と嫁は素直に感心し、なんでそんな子が産まれちゃったんだろうと不思議がった。しかしRは頭がお花畑なところがあるので何となく納得できるような気もする。(芸術家は不思議ちゃんである、という偏見)
「どんな絵を描いたんだい?」
「がくげーかい」
学芸会での演劇を描いたのだという。僕はまだその絵を見ていない。美術館に着いてからのお楽しみであった。
美術館内は結構な賑わいが。皆、僕らのような家族なのだろう。展示室に入ると、絵画は壁に、工作物は机に、それぞれ小学校別に分かれて展示されていた。そしてRの絵を探すと…、お、ちょうど見やすい高さのところに掲示されているのを発見。

作品と画伯。
「上手に描けてるじゃないの。可愛くていいなあ」
みんなで学芸会頑張って楽しかった、という気持ちが伝わってくる可愛い絵である。しかも絵が展示されているのはクラスで1名のみ。ということは
「Rの絵はクラス代表なんだな!すごいな!」
と嫁と自画自賛し合った。図画工作で一度たりとも褒められたことがない僕と嫁。DNAレベルで絶望的なのに、僕らの娘がやりおった。なんかオリンピックの100メートル走で日本人が金メダル取りました、みたいな感動である。
しかしよく見てみると向かって左端の女の子(多分Rであろう)の肩に、

小さな人が止まっている!これはなんだ!ちょうど日曜の朝に観ている「仮面ライダーオーズ」に出てくる

ドクター真木(※)の人形みたいだ。
※ドクター真木:天才科学者だが、話す時は人の目を見ることが出来ず、腕に乗せた人形に向かってでないと話せない。更に人形が体から少しでも離れてしまうと大パニックになる、という不思議ちゃん設定のキャラ。
「R。ここの小さな人はなんだい?ドクター真木の人形か?けけけ」
よしゃあいいのについからかってしまったら
「違うもん!後ろで踊っている人を描いたの!」
僕に対して滅多に怒らないRを思いっきり怒らせてしまった。そんなこと言うパパきらい!と言わんばかりにギラリと睨んでおり、
「ゴメンね。よく考えて描いてるんだね…」
なんかものすごい悪いことをした罪悪感に襲われてしまった。
あとは知っている子の作品を見たりして帰る。Rの展示がなければ美術館なんて一生来なかったろうなあ。絵を描く才能もなく、愛でる感性もなく。ラクガキなどではなく、ちゃんと絵の具を使って最後に絵を描いたのはいつだろう。たまにはRと一緒にでも絵を描いてみようかな…と思ったのだが、
結局、夜ひとりでのしゃせい大会になってしまったとさ。
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01月26日(水)
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