ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■たらちねの 母の算盤 肉襦袢
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息子・タク(5才)が栃木の実家ではまっているのが、何故か部屋の隅に転がっていた昔懐かしのルービックキューブである。

小学生の頃大流行して、6面の色を揃える虎の巻なんか出ていたりしてカチャカチャやっていたものだが、そのやり方なんてとっくに忘れてしまったなあ。

タクも6面など到底無理だが、1面だけならほんの数分で揃えられるようになってしまった。この子は天才だ!(親馬鹿)。母にそのさまを見せびらかし

「おばあちゃんできるぅ〜?」

「いやーおばあちゃんわかんね」

「たっくんできるもーん」

などと母に自慢こいているので結構やなやつである。しかし母は算盤が得意。

「お母さんは算盤を習ってたから計算が得意なのよ。計算を始めるとね、頭の中に算盤の珠が浮かんで来るのよね」

子供の頃から何度となくそう聞かされてきた。まだ現役で使っている年季の入った母の算盤も実家にあり、

「これなあに〜?」

これには娘・R(7才)が興味を示した。Rは計算が多少苦手で、通信簿では小学1年生にして既に

「もっとがんばりましょう」

的なヤバげなコメントをされてしまっている。算盤でも習わせたほうがいいのかしらんとか思っていたので

「おばあちゃんが教えてあげるよ」

母がクチャーを始めようとするのを見て、これはありがたいことだと思った。

「母さん、教えてやってくれよ」

とお願いすると母は得意気に算盤を持ち上げてジャラジャラと鳴らし

「Rちゃん、じゃあ始めるから見ててね。あなたのお名前なんてぇの♪」

「孫にトニー谷仕込むんじゃねえ!R!見ちゃいけません!」

「え。お前はトニー谷知ってるのかい?」

「それ僕にもやってただろ…」

算盤と一緒に腹も揺れるんだからやめてけれ。母に教育的な要素を求めること自体が間違いであった。そんな算盤なんか産婦人科にあげてしまえ!

安産(暗算)が得意になるでしょう。なんつって。

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01月03日(月)
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