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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■キンエンかつキンエロ
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禁煙してから3ヶ月が過ぎた。

ニコチンは既に体から抜けているので依存はないはずなのだが、タバコを吸いたいと思う気持ちは相変わらず残っている。

朝起きた時、飯食った時、会社に行く時、会社に着いた時、仕事でちょっと躓いた時、仕事で何か考えてる時、会社から家に帰る時、家に着いた時、みだらな行為をした時、寝る前…かつてタバコを吸うきっかけとなる様々なタイミングに遭遇する度に

「ああ、この時は必ず吸っていたなあ…」

と思い出すんである。ニコチンは抜けても煙草のうまさを頭が記憶している限り、吸いたいという誘惑から逃れることは出来ないのだろう。それにもう一生の半分以上をタバコと付き合っているため、たかが3ヶ月程度ではタバコと共にあった生活習慣が抜けきれないのだろう。

止める際、家にあったタバコは全部吸い切った。僕はいつもカートン買いしていたのでライターもよく貰っていた。ライターも家の中に山ほどあった。これは嫁に捨ててもらった。

「どうやって捨てていいか分からなかったから清掃局に聞いちゃったよ!」

後に嫁は山盛りのライターを捨てることがいかにめんどかったかを語った。東京都におけるライターの正しい捨て方…、それはゴミ回収車のおじさんに直接渡す、なんだそうだ。

「回収車が来るの、聞き耳立てて待ってたんだからね!」

「フッ…ライターなんてなくても君のハートに火を付けることは出来るのさ」

「はあ?何言ってんの?」

やべ、なんか火に油注いじゃった。

とにかく禁煙を始めるに当たってはこうして万難を排した…はずだったのだが、とある探し物をしている時に、冬物のコートのポケットを漁っていたら…

「うわあああっ。タバコだっ」

なんとまだタバコが残っていた。しかも未開封賞味期限内。ちゅるっちゅるの新品タバコである。タバコの箱に触れただけで「吸いたい」気持ちが手の先からゾクゾク湧き上がり鳥肌が立った。

「うわー。嫁、捨ててくれー」

早く視界から消し去りたく、思いっきり嫁にぶん投げた。

「あいよ。捨てとく」

嫁は見事にキャッチした。あと5秒も持っていたらパッケージを開けにかかっていたかもしれない。3ヶ月続いた禁煙実績がそれこそ煙のように消えそうな危機であった。おっかねえ…。

このハプニングにより一層タバコを吸いたい気持ちが高まった。これを紛らわすためには

「嫁、やらしてくれ」

エロスな方面に逃げても…無理はないな!しかし嫁は

「出血中でぃす。うひゃひゃひゃひゃ」

ザマミロと言いたげな嘲笑をするので心からむかついた。禁煙することによる体の変化は色々あるが、僕に限って言えば「精力の強化」この一言に尽きる。ただでさえ性欲が強いのに、タバコを止めてからますますそれは高まり、今は自慰行為覚え立ての男子中学生とチンコでチャンバラしても勝てそうな自信すらある。

だから嫁に断られると殊の外きつい…。そうなると僕はセフレを作ってしまうではないか。そんなことをしたらどうなるだろうか。

1.みだらな行為なしでは生きていけない僕はセフレとの関係が続く。

2.そういうことに限って速攻で嫁にバレるので家庭崩壊。

3.嫁に捨てられて子供達からも離される。

4.坂を転がるように堕落した人生になり禁煙も失敗する。

うーん、必ずしも禁煙したから全てがハッピーになるわけではないような気がする。

これをセフレスパイラルといいます。

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08月14日(土)
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