ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■真夜中のモスキート音
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草木も眠る丑三つ時。

僕がネットをやっている部屋と寝室の間のフスマが「ドゴン」と鳴る。

「まさか…」

キャアアアアア。先日としまえんで見たホラーアトラクションの看板を思い出し、一瞬ぞっとしたが、

「多分、久しぶりのアレだろう…」

フスマをガラッと開けてみると

「うわあああああん!」

フスマの向こうにはヒヨコのぬいぐるみを抱いた娘・R(6才)が立っており、僕の顔を見るなり号泣した。

「どうしたR。怖い夢見たか?」

「蚊がが…」

Rは耳元に蚊が飛ぶ音が近付くことを極度に恐れる。昼間は勇敢に蚊を叩いてやっつけていたくせに、真っ暗闇の中で急に耳の近くで起こる「プーン」という音がダメらしい。

ちなみにRは1文字の単語が主語の時、何故か「が」がかぶる。

「血がが出た」「蚊がが飛んでる」等等…。

「よしよし、怖かったね」

蚊の鳴くような声で…という喩えがあるが、蚊の飛ぶ音だけでこんなに怖がって泣いてしまうRのなんと可愛いことよ。そっと抱きしめてやるとぎゅっと強く抱き返してきたR。涙を拭ってやって

「鼻、かみな?」

とティッシュをあげるとぶぶぶぶぶ…と豪快に鼻をかむ。

ちょっとは落ち着いただろうか…と一緒に布団に寝っ転がってみたら、まだRは目をキョロキョロとさせている。

「蚊…見つからないねえ」

速攻で見つけて退治してやりたいところだったがうまく逃げられてしまったようだ。

「んじゃ、お話してやろうか」

「うん」

Rの心が落ち着くまで、昔話をしてあげた。話が終わってから

「じゃあ寝ようか…」

ふと窓を見ると、

「な、なんか白いのがふわふわしてるー」

今度は僕が思いっきりびっくりしてしまったら

「てるてるぼうずだよ。たっくん(4才の息子)が作ったの」

「な…なんだそうか」

フ…恥ずかしいところを見せてしまったぜ。

翌朝起きてから嫁に

「昨日、気付いてた?」

と聞いてみたら

「うん。気付いた。あなたのところに行ったーって思ったからそのまま寝たよ。あなたすごい焦ってたよね。『どうした?』とか『大丈夫?』とか」

ニヤニヤ笑っておった。そりゃそうだよ。わざわざすぐそばにいる嫁じゃなく、隣の部屋の僕のところまで駆け込んでくるRの可愛さといったら。

そんな可愛いRを恐怖のズンドコに叩き落す蚊の憎さといったらない。てめえは血も涙もねえのかー。血ならたっぷり吸いましたわってやかましいわ。

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08月04日(水)
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