ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■不況に喘ぐこのご時世に性的に喘ぐご近所
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夜、駅から家までの道の途中、僕の前をカッポーが歩いていた。男は黒縁メガネでツンツン頭、20代後半ぐらい、女の方は顔は見えないがなんかエロい感じの足がミニスカートから伸びていた。
ふたりは僕のウチの斜め向かいのアパートの門をくぐって行った。そこは単身用のアパートなので、今日はお泊り会、みたいな雰囲気である。
僕はぴーんと来た。あのカップル、近頃深夜にもんのすごい喘ぎ声を上げる犯人ではなかろうか。
ここ2週間ほど、真夜中めっちゃくちゃでかい喘ぎ声がして目が覚めてしまったことが2回もある。1回は以前の日記にも書いた。家に帰って来て
「多分だけど、あの喘ぎ声カッポー見たぞ!」
と嫁に報告したところ
「でもその人達がそうだとは限らないでしょう。どの部屋に入っていったかまでは見てないんでしょ?」
嫁は冷静な判断をする。喘ぎ声が聞こえて来るのは一番西端の部屋なのだが、アパートの敷地内まで尾行しない限りそこまで分からない。そして僕はそこまで変質者ではない…と思いたい。
「そりゃそうだけどいーや、アレは絶対そうだね!」
「なんで分かるのよ」
「そりゃアレだよ。エロを求めて数十年。磨き抜かれたエロの勘だ!」
「はあ…そう…」
「今夜、また喘ぎ声が聞こえてくるはずだよ!」
嫁はまだ聞いたことがないので、乞うご期待!といったところだったが、やはり男ではないのでどうでもよさげだった。
ところが…。嫁、2時になっても3時になっても寝ようとしないではないか。ネットでなんか見てる。
「フッフフ。喘ぎ声がするの待ってるの?」
「ばかっ。違うよっ。やることいっぱいあんの!」
素直でない嫁であったが、とうとう午前4時になって
「いい加減僕は寝るぞ。エロの勘も外れたみたいだなあ」
と床に就くと嫁も
「はー…寝よ…。楽しみにしてたけど静かだったね」
おいこらやっぱり期待してたんじゃねえかこのムッツリ助平。
「じゃあ僕がちんこ入れるからお前代わりに声出せ」
「バカー!」
「はい声出してこー」
「出さないっての!」
そんなわけで空が白々と明るくなりかけた頃に寝たのであった。
翌朝、さすがにいつもの時間には起きられず9時半ごろ起きた。でもちゃんと早起きしていた嫁が
「ちょちょちょちょ、朝凄かったよ!」
「なにー!」
なんと、朝の8時ごろからイヤアンアハアンとおっぱじまったのだという。
「全く何考えてるんだか!子供も起きてるっていうのに!」
幸い仮面ライダーやプリキュアのテレビで誤魔化すことは出来たというが…。
「向かいの人とか、露骨に雨戸ガラガラ開けたり閉めたりしてたよ!」
「わはははは!」
向かいの人、雨戸開けたり閉めたり。アパートのカップル、ちんこ出したり入れたり。
昨晩、僕があのカップルを見た時、女の子の顔を見なくて良かったと思う。美人…とまでは言わないが、ごく平均的なルックスだったら今度も
「けしからんなあ」
建前上はそう怒りの態度を示しておきながらも興奮して聞き耳とちんこを立てるだろう。しかしハリセンボンクラスの残念な結果だったら、本気で怒りの余りバールのようなものを持って殴りこみに行ってしまうだろう。
聞けなかったのは残念であるが、結果として僕のエロの勘は当たってしまったわけだ。我ながら凄いようなひどいような第六感。
シックスセンスじゃなくてセックスセンスである。
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06月21日(月)
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