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エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■愛のすれ違い
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朝、娘・R(6才)の登校。
一緒に家を出る僕。付いてきたがる息子・タク(4才)。そしてタクのお守りのため付いてくる嫁。タクが未だに一緒に学校まで行きたいと言うので相変わらず家族総出で登校である。
いつもウチの前に近所の子供達が集合する。今朝は僕はちょいと遅れてしまったら
「パパ、ビリ!」
「わー、Rちゃんパパびりっけつ!」
Rとそのお友達から総攻撃を食らった。
「ビリになったら『遅れてごめんなさい』って言うんだよ」
とRに叱られる。
「遅れてごめんなさい」
僕、朝イチに詫びを入れる。
この日の嫁はめんどくさそうだった。
「ねえ…今日ママ行かなくていいかな」
いつもタクと嫁はRを学校に送った後嫁と帰る。僕はその途中の分かれ道で駅に向かってしまうので、嫁がいないとタクは学校からひとりで帰って来なければならない。それはちょっと無理があるので
「じゃあ僕が送って来よう。タク、今日は学校まで行かないでパパと途中で帰ろう」
「うん、いいよー」
「ママはここで待ってるからね」
そういうことになった。
「いってらっしゃーい」
分かれ道でR達を見送り、タクを家に送ることになった。
「さて、タクは帰る道が分かるかな?」
「わかる!」
「じゃ、パパは後ろを歩くから自分で道を選んでみな」
タクはそんなの余裕だぜ、とばかりに鼻歌交じりに迷うことなくスタスタと歩いて行く。最後の曲がり角にさしかかったところで
「パパ、ここから来ちゃダメ!たっくんひとりでお家帰るの!」
「えー」
タクは「ひとりで帰って来れた!」というところを嫁に見せたいんだろうなあ…。角を曲がって直進10メートルほどでウチ。大丈夫だとは思うがなんせテポドン並みに動きの予測がつかないので一抹の不安が残る。
タクはくるりと角を曲がって視界から消えた。見えなくなると不安でしょうがない。角から顔を出すと
「見ちゃダメ!」
タクに見つかってしまい慌てて顔を引っ込めた。それでも不安なのでもう一度そーっと覗いてみると得意気に門の中に入って行くタクの姿が見えた。
まっすぐ家に帰れたようでよかった…と胸を撫で下ろしたが、「待ってる」と言っていた嫁がいないことが引っ掛かった。家の中にいるのだろうか?見て来れば一番早いのだが姿を見せるとタクが怒る。そこで嫁に電話してみた。
…出ねえ!何をやってるんだ…とイライラしてたら
「あ、パパ!」
何故か後ろから嫁が走って来た。
「なんでウチにいないんだチミは。タクはもう戻ってるぞ」
とにかく戻れ、と言って嫁を走らせると
「ママああああああ!」
10メートル離れた先からでも聞こえるタクの絶叫が。あーやっぱり…。
夜、仕事から帰ってから改めて嫁に聞いてみたら
「アナタが帰ってくるだろうと思った道で待っていた」
とのこと。しかし僕は
「タクに先導させてたんだよ」
「うん。それはタクから聞いた」
嫁は別の道で待ちぼうけだったのだ。
「タク泣いてたろう」
「うん。ドア叩きながらママママって…悪いことしたよ…裏目に出ちゃったな…」
僕らは息子の引渡しもろくに出来なかった夫婦ということになるなあ。ツーカーの夫婦ならどちらかが勝手に動いてもうまく回るもんなのだろうか。普段意思の疎通がなってない僕ら。
嫁へのお仕置きとして精子の疎通をしたいと思う。
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05月08日(土)
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