ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■年中息子と中年おやじ
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今朝も息子・タク(4才)から

「おっきろー!」

北斗の拳における、モヒカン狩りのゴロツキからなす術もなく種モミを奪われる爺さんの如く、無抵抗のまま叩き起こされた。時計を見るとまだいつも起きる時間の30分前。勘弁してくれ。

「あと30分寝かせてくれ…」

どうか見逃してくれ…この種モミを実らせないといかんのじゃ…今この種モミを食べてしまえばそれで終わりじゃが蒔けばたくさんの実を結ぶのじゃ…今日よりも明日なのじゃ…。

そう、今よりも30分後なのじゃ…頼むから30分寝かせてくれ…あ、でもやっぱり種モミより乳モミの方がいいや。結局必死の懇願をしたものの、タクからの断続的な叩き起こし行為によりようやく起きた僕。

「ねえパパー。たっくんは今日大活躍するんだよ」

これを僕に言いたかったのだろうか。タクはニコニコと話しかける。

「ほう。どんな活躍をするんだい」

「幼稚園の先生が変わるの!」

先生が変わるっていうか年少から年中になるのである。今日は幼稚園の始業式。だからいつにも増してテンションが高かったのだろう。多少とんちんかんな言葉選びであるが、進級することを「大活躍」と表現したタクのセンスは評価したい。

「そうかそうか。タクは今日から年中さんだね。がんばれよ!」

その勢いでがんばれ、と励ましたら

「ぶわあああああああ!」

今の今まで笑ってたのに突然泣き出した。

「え、なんで泣くのー!」

「クラス変わるのかなしいー!」

先生が変わるのは嬉しいがクラスが変わるのは悲しいのだろうか?

「ま、まあ新しいクラスになってもすぐ友達できるからさ…」

笑ったと思ったら泣いてるし、どうフォローしたらよいかわけわかめ状態。すると嫁がニヤニヤしながら横からひとこと。

「もう眠くなってるのよ。だっていつもよりめちゃくちゃ早く起きてるもん。大丈夫よ。すぐにケロッと機嫌直るよ。だって…」

「だって…って?ああ、鳥だからか」

鳥とは3歩歩くとすぐ忘れる、ということの遠回しな表現である。タクは酉年のせいか2秒前に自分で言ったことをすぐ忘れたり全く正反対のことを言ったりする。しかし遠まわしに言ったのに

「んがー!」

タクにぶたれた。

「ああ、もうこういうことも分かるまで成長したか…」

すまんね、とタクに謝った。

「じゃ、今日もRちゃん(6才の娘)と一緒に学校まで送りに行こうか。

「うん!」

嫁の言ったとおりタクはまたキョホホホホと楽しげにドタバタ走り回り出した。ものの数分で喜び、悲しみ、怒り、楽しみ…とコロコロ変わる。まったくいい加減な喜怒哀楽である。

ドンブリ感情。なんつって。

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