ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ああ、川の流れのように
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お彼岸のため栃木の実家に帰省。

父の墓参りをした後、子供達を遊ばせるために公園へ。この公園は帰省した時は必ず行く。広大な敷地に豊富な遊具、近くには河原もあり娘・R(6才)と息子・タク(4才)のお気に入りなのだ。

しかしこの公園には罠がある。お昼時とオヤツ時を狙ってアイスクリームの販売車がやって来るのである。チャーラララッチャという一軒軽快に聞こえるが、親にとっては地獄のマーチ。

「今日も買わされるのかな…」

来る度に嫁とビクビクなのである。

さて、公園に着いたRは早速自転車を乗り回し、タクは公園の奥の河原に走っていった。今日は遊具メインではないようである。

タクは河原に石を一生懸命投げ込んでいた。

「パパ、どうやったら遠くまで飛ぶの?」

と教えを請うタクに

「下半身を使え!こうだ!」

ピッチングフォームを教える僕。タクが飛雄馬で僕一徹。

「こう?」

「そうだ。いい感じだ。タクよ、あれが巨人の星だ!」

と青空の向こうの一点を指差したら

「ちがうよ。あれは西松屋の看板だよ」

ふっ。よく分かっているではないか。タク、父の渾身のボケを川の流れのように華麗にスルー。

自転車を乗り回していたRも河原にやって来て全員で石の遠投大会となってしまい、そんなこんなでもう黄昏時。じゃあそろそろ帰ろうかと子供達の手を引いたところ

「今日はアイス屋さん来なかったね…」

Rが残念そうに言った。ふふふ、敢えて言わなかったがこの河原は公園の奥まったところ。アイスの販売車はいつも公園の入り口にしか来ない。すなわちあの地獄のマーチはここまで聞こえないのだ!実はかすかに聞こえてた時があったんだけどスルーしてたんである。

「うまくいったわ」

きゅきゅきゅきゅ…嫁が野口さんのような邪悪な笑みを浮かべた。

そんなわけでとっとと帰ろうとするのだが、タクが河原に座り込んでなかなか動こうとしない。

「石を持って帰りたいの!」

タクは余裕で撲殺できそうな大きな石を掴んで離さないんである。余程河原の石投げが気に入ったようである。東京の川より上流域の栃木の河原はより大きな石がゴロゴロしているので珍しいのだろう。

「そんなのダメ!」

「やあだあああ!」

普通に邪魔だし、持って帰るとたまに呪われる石もあるから嫌なんだけど、タクは言うことを聞こうとしない。

石だけに、固い意志ってか…。

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03月22日(月)
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