ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■喫煙者は死すとも滅びぬ
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息子・タク(4才)に

「くさい!」

と実もフタもないことを言われた。

「どどどど…どういう風に臭いのかな?」

人間、年を経てオヤジになるといくらでも臭くなる。その辺は人間も生ゴミも変わらない。イカ臭いのは若い内からだが、他にオヤジ臭い・口が臭い・足が臭い・頭が臭い・耳が臭い等さまざまである。思い当たることで僕に当てはまらないのはワキガぐらいだ。

「タバコくさいの!」

タクはそう答えた。

「あー…タバコっすか…」

ひとまず体質的な臭いではないことに安心したようなそうでもないような。

「パパ、タバコやめてよー。タバコすってるとけっこんできないよー」

「いやしてるんだけどね…」

「Rちゃんとけっこんするんでしょ?」

ああそうか。いつも娘・R(6才)と「結婚しようね」と戯れているので僕がまだ結婚していないと思っているようだ。

「ああそうだね。Rちゃんと結婚するんだね」

「Rちゃんとか他の人とかともけっこんできないよー。タバコすってると嫌われちゃうよ」

僕が未婚どころかいくらでも重婚できると思っているようだ。百歩譲って重婚OKという法律だったとしても僕には相手も金もないさ。しかし4才児にそこまで自虐的な説明をしなくてもよかろう。だって、涙が出て来ちゃうモン。

しかしタクは偉そうなことを言う。お前だってタオルを一日中口に当ててないと口が寂しいのだろう?それと原理は同じなので、タクも将来タバコを吸うんじゃないかなあ…。

それはそれとして、Rは僕のタバコをマイナスポイントとして見ているのかどうか聞いてみた。

「Rちゃん、パパタバコやめた方がいいかな」

僕らの言い争いをよそに横でテレビを見ていたRに聞いてみると

「うーん。すぐにやめてっていうとパパかわいそうだから、今はやめなくてもいいけど、Rちゃんと結婚する時はやめてね」

という素晴らしく慈悲深くも冷静なお答えをいただいた。

「ありがとうRぅぅぅぅー」

日に日に喫煙者にとって肩身が狭くなっていくこの世の中、Rの猶予は一条の輝く光であった。そして喫煙者であることを受け入れてくれた嫁…夜はタバコを唇に替えて…ジュテーム。

「き、きみは綺麗だね…」

と襲おうとしたら鼻で笑われた。

セリフも臭かったようだ。

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12月20日(日)
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