ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■20,November
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センチュリー、トウェンティ、ワン〜。

じゃなくて

トウェンティ、ノベンバ〜。

すなわち誕生日の朝だった。

「パパ、たんじょうびおめでとう!」

娘・R(6才)も息子・タク(4才)もまず起き抜けの第一声がコレ。君たち、そんなにパパの誕生日が嬉しいのか…本当はケーキ食べたいからなんだろうけど。

「はいこれプレゼントォォォォ!」

ふたりともものすごい勢いで僕にプレゼントをくれた。タクは折り紙で作った手裏剣と、新聞チラシで作ったピストル。

「ほお〜よく作ったね〜。これアレか。仮面ライダーのトリガーか?」

と付け焼刃の知識で、最近ライダー好きのタクに合わせようとしたところ

「違うよ。サイクロンだよ」

どうやら間違っていたようだが何が間違っているのかよく分からなかった。

「Rちゃんは、これ!」

続いてRが持って来たのはこれも新聞チラシを切ったりお絵描きして作ったバースデーケーキの箱。中にはまたまた紙製のバースデーケーキ。

「ふたりともありがとう。よく出来てるね」

「きのうね、『あしたまにあわない〜』って思って、急いで作ったらまにあったの」

「そうかそうか。一生懸命作ってくれたんだね…」

子供たちがせっせせっせと工作している姿が目に浮かぶ。こんな僕のために…と目頭が熱くなった。ふたりのプレゼントをシゲシゲと眺めていると

「はいこれ」

なんと嫁もプレゼントをくれた。これは全く予想GUYだったので驚いた。嫁がくれたのはチョコだった。

「え…くれるの?ありがとう」

「うん。でも愛はないから」

ガビーン。そのひとことで幸福の有頂天から絶望のズンドコに叩き落された。

「そうか…愛はないのか…」

「うん。ない。でもお金はかかってるよ」

愛がないならないでいい。身から出た錆である。思い当たることがあり過ぎて身の毛がよだつから触れないでおこう。しかしそれならそれで別に言わなくてもいいではないか。さすれば僕も素直に喜んだままでいられたのに。言わぬがフラワーである。

お金がかかっていると言ったって…数百円じゃないか。そしてこの金額は過去嫁からもらった誕生日プレゼント最安値を更新した。

僕はチョコの箱をぴりぴりと開け

「君たちも食べるか」

Rとタクに一切れずつ渡し、自分もひとつ口の中に放り込んだ。

チョコなのにしょっぱいなあ〜。

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