ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■光GENJI蛍
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嫁実家に来ている。

「蛍見に行こうか」

と嫁父が言った。家の近くに小さな川があり、蛍が飛んでいるのだという。

「へえーあそこに蛍住んでるんですねえ」

その川は特に綺麗だと思ったことはなく、コンクリートで護岸されてるし、すぐ側は土木業者の資材置き場があり、今にも崩れそうなほったて小屋とかユンボが無造作に置かれている、なんか死体でも埋まっていそうな殺伐としたところなのである。

「お前んとこ(僕の故郷)はいなかったのか?」

「いやーいなかったです。川汚かったし」

うちの田舎にも田んぼの用水路がたくさんあったが、実際は生活排水垂れ流しのへドリアンドブ川であった。ザリガニは採れたが蛍はいなかった。

そういや最近蛍見てないな…。僕自身がしりに火が点いているのはいるのはいつものことだが。あ、あとアレだ。飲み会で酔っぱらったバカがお尻にタバコ挟んで

「ホタル―!」

とか。あの宴会芸はプレイヤーのお尻が汚いと吐きそうになる。

僕もあんまり見たことがないし、娘・R(5才)と息子・タク(3才)は当然生まれてから見た経験がない。なので見せてやんべ、って話になり夜8時近くに川に行ってみた。

「ほ、ほ、ほーたる来い」

と歌いながら探していると、黄緑色の光がひとつ、ふわり、と。

「お、これが蛍だそー」

蛍の光が乱舞する…とまではいかなかったが、あっちにふわり、こっちにポワーンという感じで10匹ぐらいはいたのではないだろうか。

「ほれほれ、蛍捕まえたー!」

嫁は掌のなかに蛍を捕えてはしゃいでいた。

「昔はいっぱいいたからホーキを振り回せばすぐくっついたもんだよ。今年は少ないねえ
と嫁母。確かにあまり採っても昼間はパッとしない虫である。お米の中に入ってる虫みたいだし。

「こっちの方がいるかもしれないよ」

と上流の方に移動してみたのだが、

「そろそろ帰りたい―」

Rがちょっと不安そうな顔で言った。

「怖くなっちゃったのかな?」

「うん」

上記で述べたとおり、殺伐とした風景なので、しかも真っ暗である。怖くなるのも無理はない。実は僕も蛍より人魂が出るんじゃないかってちょっと怖かったんだあ…。

「じゃあ帰ろうか。充分蛍見れたし」

そんなわけで家に帰った。もう良い子は寝る時間である。子供達はとっとと寝たので嫁を襲おうとしたところ

「できないよ。今アレです」

相手にもされなかった。

お、お、おととい来い。

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06月21日(日)
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