ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■春なのに、ため息またひとつ。
夜、いつものゲーセンに行ったら。
店員の三上君がつつーっとやってきた。

「長い間お世話になりました」

彼は深深とお辞儀をした。

「えー。辞めちゃうの?」

「辞めるというか、この度動くことになりまして…」

「異動?」

「まあそんなところです」

三上君はこのゲーセンの中ではおそらく一番古い。
僕もかれこれ5年ぐらいの付き合いか…。とにかく残念なことである。

僕はやはりここのゲーセンの店員だった、超お気に入りの美少女Rちゃんが
辞めた時の事を思い出した。
最後の日の記念に、と、撮った写真には笑ってはいたが
どことなく寂しそうな表情が映っていた。

僕も抱きしめたくなる程寂しかったもんだ…もちろん抑えたが。

こうなったら、彼女にちなんで「R」と名前をつけた、
おなかの中の子供を抱きしめて悲しみを慰めるしかない…
嫁ごとなのが残念だが。

僕が余程な顔をしていたせいなのか、三上君は口を割った。

「いや、あの、実は単に夜番が朝番になっただけなんです…」

何ー!寂しがリータをからかうのはやめて欲しい。
03月07日(金)
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