ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
[5183665hit]

■三井キムタク銀行。
疲れがたまっているのか、体が甘いものを欲しているようだ。
仕事から帰ってきて、嫁に言った。

「明日、パフェ食いに行こう」

嫁は賛成した。

次の日、僕は仕事が休みだったが、嫁は出勤だった。
僕は家で帰りを待つことにした。

嫁が帰ってきたら駅前の喫茶店「トキ」に行こう。

あそこの狂ったように高くデコレートされた
でかいイチゴパフェ。

店にはツルのようにひょろ長くて、
いつも手際の悪いオバサンがいて、
彼女がパフェを危なっかしく運んでくるのだ。

楽しみだ。

…待てども待てども嫁は帰ってこない。
僕はそのうち寝てしまった。

それから数時間後、嫁は帰ってきた。僕は目を覚ました。

「…もうトキ閉まっちゃってるよう」

「仕事だったんだから仕方ないでしょ!」

嫁は機嫌が悪かった。

「で、行くの?食いに」

「んーあと20分でキムタクのドラマが始まるから、それ見てから」

何…亭主が腹を空かせているのにキムタク!
何を考えているんだこの嫁はマッタク!

嫁はキムタクが好きである。
僕はキムタクには似ていない。

何故に僕と結婚したのだろう。
どこかに共通点でもあるのだろうか。

寝ぼけ頭で考えてみた。

木村拓哉はキムタクである。
僕はオタクである。

「タク」、か…。

けっ。タクマニアならタクアンとでも結婚すればよかったんだ。

僕はまた眠りについた。

それからしばらくして、嫁に起こされたような記憶がある。
でもほとんど覚えていない。

気付いたら朝だった。

そのせいか嫁はそれからずっと期限が悪い。
ちょっとのタイミングを逃すと、全てを失う。

イチゴパフェも届かぬ甘い夢だったのさ。

全てはキムタクが悪い。

ところで工藤静香のことを「くっしー」と呼ぶのは
僕と友達の木村だけであろうか。
02月12日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る