ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■思いっきり北の国から。
昨晩彼女が泊まりに来る前、

ぺれれれれ〜。

ついこないだ買い換えた、思いっきり使い心地が悪いケータイから
やる気のない着信音が鳴った。

むかつく。

しかも今どき和音の着メロ機能がついていない。
それに気付かず買ってしまった自分に腹が立ち
着信音を初期設定からいじくる気すら起きないのだ。

しかしケータイの画面を見て驚いた。
ヨウコさんからでわないか。

ヨウコさんは僕の友達で、主に羊毛を使い機織り機で
織物を作るアーティスト。

僕としょっちゅう
甘い物を求めてケーキ屋やコンビニでデザートを買い漁り、
辛いものを求めて韓国料理やらベトナム料理やらタイ料理やら
スペイン料理やらの料理店に行きまくった。

去年の夏、デンマークの大学から工芸の講師として
招かれて現在日本を離れている。

別れ際、ヨウコさんは僕に羊毛のタペストリーをくれた。

「今日、日本に帰ったんだよ〜」

「帰国したのは何のため?」

「試験を受けるの〜」

織物の何かの試験を受けるという。

「羊を何秒で仕留められるか、とか
 羊の毛を1頭何分で刈るか、とかそういう試験?」

「そうよ。よく分かったねえ」

たまらなく懐かしくなった。

「あのさ…また、会わない?」

「いいよ。また美味しいもの食べましょ」

アッサリ土曜日おでーと成立。いいのかしらん。
許せ、彼女。

「久しぶりの日本は懐かしいだろう?」

「うん。早速これからローソン行って、甘い物チェックしてくる!」

ヨウコさんが織物のスペシャリストだけでなく、コンビニデザートの
エキスパートだったこと、忘れてた。さすがだ。

…その1時間後、彼女到着。
やっぱ、悪い事かね、これって…。
01月30日(火)
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