ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■嬉シー恥ずかシーディズニーシー。
お化け屋敷っぽいのはRもタクも共通して苦手なようだった。そういえば近所の遊園地「としまえん」には何十回も行ったけれどもお化け屋敷だけは絶対に入らなかった。

夜7時ごろになるとやはりタクの疲労が目に見えてきて、お腹が減った、とにかく早く食べたい、どこでもいいからと言うのですぐそばにあったハンバーガーの店へ。ここでガツガツ食べてちょっと復活したかと思ったけれども、その後、夜のパレードを観ていたら

「もう疲れたよう…」

シクシクと泣いてしまったので横にさせた。パレード自体はとても派手でスケールの大きいものであった。海上で様々なキャラクターが船に乗って現れたり、ミッキーとドラゴンが闘ったり、プロメテウス火山が噴火したり。最後、ミッキーが親指を立てながらプロメテウス火山の火口に沈んでいくシーンは涙なしには見られなかった(一部ウソあり)。

じゃあ帰るべか、としたところ

「何言ってんの!これから買い物だよ!」

嫁とRがキラキラとした目で言った。そうだった。お友達へのお土産と自分の物…。僕はとっととテキトーなものを会社へのお土産に買ったが、女の買い物と校長先生の話はウザいくらい長いのは世の常である。

「出来るだけ早くしとくれよ」

とお願いしたところ

「1時間はかけるよ!」

とキラキラR。おいこら。

「いやほら、タクがこれだからさ…」

もうタクは寝てしまっていた。お土産屋付近にはベンチが全くないので仕方なく地べたにゴザを敷いて膝枕をさせて嫁とRを待った。

案の定ふたりはなかなか戻って来ず、しびれる足をガマンしながらタクの頭の重みに耐える僕。途中でタクがふと目が覚めた。

「あら、起きた?」

目は開けたものの思いっきり寝ぼけており、隣に座っていたお姉さん二人組を嫁とRと勘違いして

「ママー」

と抱きついてしまったではないか。

「ああっすいません!」

慌ててひっぺがえしたのだが

「あららボク寝ぼけちゃったの?」

お姉さん達は笑っていた。タク、次、替われ。後で聞いたところによるとちょうど嫁とRが戻って来た夢を見ていたのだという。

結局嫁とRは閉園ギリギリの夜10時まで買い物をしておった。

「もうちょっとだから辛抱してくれ」

とタクを起こしてシーを後にした。閉園まで遊べるよう今夜はヒルトンに泊まる予定なのである。シャトルバスでヒルトンに向かい、ロビーでチェックインしようとして、念のため予約した時のメールを確認してみると…

「ひー!ヒルトンじゃなくてシェラトンだったー!」

なんと、本当はシェラトンに予約していたのにいつの間にかヒルトンだと思い込んでいたようだ。タクの寝ボケを上回る大ボケをぶっこいてしまった。

「あんたなにやってんのー!」

嫁も開いた口が塞がらないようでダッチワイフフェイスで僕を睨む。

「いやー、名前が似てるし年間5人ぐらいは間違える人いるんじゃないのかね」

石田ひかりと西田ひかるみたいな感じで…と嫁に言い訳したら

「いねーよ!」

全否定。とにかくもうタクをこれ以上歩かせられないので慌ててロビー前にいたタクシーを捕まえて

「シェラトンまで」

と伝えたら

「はあ?」

思いっきり嫌な顔をする運転手。それもそのはずシェラトンはとても近く、ものの20秒で着いてしまった。多方面から痛い視線を感じながらシェラトンに滑り込み、ようやくくつろげるベッドに辿り着いたのであった。

シーでのアトラクションを観る仕切りまでは結構うまく行ったんだけどなあ…。家族よ、ダメなオヤジを許しておくれ…。

ヒルトンシェラトンダメオトン。

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09月22日(木)
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