ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■沖縄日記。そのに。
そう説得しても結果が全てのタクはなかなかブスっとした顔を戻してくれぬ。なんだかなあ…と思ってるとまたタクに当たりが。

「パパ、すごい強いよ」

僕もタクの釣竿に手を添えて助けると、かなり強い力だ。これはかなり大物かも…とワクワクしながら引き上げると…

「あ、切れてる…」

糸は途中から切れてしまっていた。

「う…」

タク、ここで悔し涙の泣きが入った。

「泣くな!そんだけデカいのがいるってことだよ!チャンスあるよ」

必死に励ましてやる。こういうのってどうなんだろ。いつまでも甘くフォローしてるからタクもいつまでもこうなんだろうか。なんて考えながら糸を付け替えてもらってエサ着けて垂らすと、程なくしてまたも当たりが。

「お、これは、イワシだ!」

今度はちゃんと釣れた。2匹目ということで数で僕に並び、更にイワシという馴染のある魚ということもあり、嬉しかったみたいでようやく

「えへへ、やったー」

笑顔が戻って来た。よしよし。すると嫁がこっそりと

「実はワタシも釣れちゃってたんだよね…」

タクの死角にでっかいテングハギを隠していた。

「うわ、すごいじゃん!」

「タクが釣れてないのに見せると機嫌悪くなるから、わざとダラダラやってたりしてたんだけど…」

嫁もタクの不機嫌を恐れてガチ勝負はしてなかったらしい。こっそり記念写真を撮った。

釣糸を垂らして当たりを待ちながら眺める海は、青くて本当に綺麗で、キラキラ輝くイワシの群れも見えた。

その後、嫁とタクはそれっきりだったが、僕は追加で3匹も釣れてしまった。Rはものすごい力で糸を引っ張る魚が当たり、上田氏が慌ててタモ網で捕えようとしたが

「網より大きかったです…」

残念ながら逃げられてしまった。僕とタクは反対側にいて、その魚を見ることが出来なかったので

「こんなに大きかったのよ」

Rが腕を伸ばして悔しそうに説明する。余程悔しかったのか繰り返し説明するのだけれども、その都度

「こーんなに大きい魚」

腕を伸ばす幅がどんどん大きくなって、まさに「逃がした魚は大きい」である。しかしながらRは僕に次いで多く釣った結果を残した。ボーっとしてるフリしてあの子、わりとやるもんだね、と嫁とヒソヒソ。あみんかよ。

タクは2匹目のイワシ以降当たりがなかったので、やはり不機嫌になってしまったが、

刺身
陸に戻って上田氏が釣った魚をすぐそばの食堂で唐揚げや刺身にしてくれて、

刺身大好きのタクはコロッと大喜びになってしまったのであった。

「パパ、釣り、楽しかった」

「よかったな」

「また海で釣りしたい」

「空でも釣りが出来るんだぜ」

「ホント?」

「東京スカイ釣り」

また不機嫌になってしまった。

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07月31日(木)
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