ID:81711
エキスパートモード
by 梶林(Kajilin)
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■ガール・ネクストドア。
Rがピアノの練習の交代を告げてきた。家の中に戻ってタクが練習を始めると、今度はRとミユちゃんが遊ぶ。さすがに女の子同士、遊ぶ内容はガラッと変わり、ふたりでお絵描きを始め、可愛い女の子や動物の絵を描いていた。1時間ほど遊び、ミユちゃんは帰って行った…と思ったら、
「たっくーん!ミユのおうちに来て!」
殆ど間を置かずに再びラブコールが聞こえてきた。
「おうちに来て、なんてすごい積極的な子だなあ…よっぽどタクをお気に入りなのかな…」
ずいぶん積極的な女の子だなあ…と思ってそう呟いたら
「あのくらいの年でも女の子はおしゃまだよ〜」
嫁と母はそうニヤニヤしていた。そんなものだろうか。Rは全然そんなところはないんだけれど…。こっそりタクの後を付いて行くと、ミユちゃんがタクにお菓子あげるところだった。そして
「バイバイ、またね」
とミユちゃんが言うと
「ありがとう!バイバイ!またいつか!」
タクはスチャッと手を上げて挨拶し、くるりと切れの良いターンをかまし颯爽と戻って来た。なにこの爽やかボーイ。「またいつか」なんて、いつの間にそんな言葉が出るようになったのだろう。
「ミユちゃんありがとねー」
僕もお礼を言うとミユちゃんはニコニコしながら扉を閉めた。本当に近所同士だったらお互い初恋の相手になったかもしれない…けどそんなに会える訳じゃないから、今はこんなにラブラブな感じでもそのうち忘れちゃうんだろうなあ…と勝手に寂しくなっちゃったりするオヤジであったとさ。
でもホントに人懐っこいカワイイ女の子であったことよ。是非タクの嫁に…。
お隣の子の、人となり。なんちて。
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10月10日(水)
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