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Niseko-Rossy Pi-Pikoe Review @ Tokyo
by Niseko-Rossy Pi-Pikoe
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■くらきまいーなかしー・『ゆらゆら帝国のめまい』『ゆらゆら帝国のしびれ』・アントニオネグリ・平井玄
ありふれたー、きみのなまえー。み、あーげてーごらんーよるのおーほおーしおー。いけね、有線に毒されてます・・・。

不意にラジオで倉木麻衣の曲がかかって、あいかわらずどーでもいい曲歌ってんなあ、でも、倉木麻衣・・・、そのオリジナルな歌唱法、に、耳が奪われてしまう・・・。へたくそ、とは言い切れない。あの少ない声量、ごくわずかな肺活量、せまいはなのあな、けしてマラソンなんかできない病弱少女としか思えない声キャラ、そのくせキャラに合わない明るく健康な夏の少女みたいな歌ばかり歌っていて、どのフレーズにも息が続くのか心配になる、ちょっとした旋律の伸ばしに息が間に合わないスリルを感じる、その語尾の吐息感に、聴いているこちらも窒息しそうになってしまう。そんなふうに決死の覚悟で歌う倉木麻衣を、ぼくがついているからね・・・と一生懸命に聴いてしまう。そんなんでいいんでしょうか。

なかしー。生きているかみさん、・・・ぜんぜんちゃう、もとい、なかしーは生きている神様なのである。天才評論家・平岡正明は「山口百恵は菩薩である」と看破したが、なかしーの場合はどうだろう、もっとデモーニッシュに反転するような二重性を保持してはいないか。
はれぼったい目でダルそうにソファによりかかる化粧品の広告、ファーストツアーのDVDに見るあどけない笑顔、はだしで土俵入りスタイルで歌唱にインしていく動きのモメント、そして、外れそうな(実際外れている?)音程で、よくあるような歌詞を歌う。そう、よくあるような歌詞、であることが肝要だ。日常が聖性を帯びる。これはつんくが、たとえば藤本美貴「ロマンチック浮かれモード」でいつもの部屋の景色が変わって見えると歌わせた一例のみならず、つんくが一貫してJ-POPに放っていることがらだ。だからよ、インストール、なんてありえねー話書いてんじゃねーよ、な、綿矢りさ、・・・でも、かわいー。・・・うーむ、まあとにかくわたしは小説はきらいなのである。
よくあるようなラブソングを、あんなんなって歌うなかしー。
雪降る街をデートするだけの若者たちに2004年のいま立ち降りる聖性を、あんなガキどもに立ち降りるわきゃないやろ!と野暮を思う中年オジサン(わたし)に「聖性を与えているのだな・・・」と思わせるところの聖性を、ハーメルンの笛吹きシンガー森山直太朗が「あの聖なる夜に・・・」なんぞと歌い抜ける白痴ムードの対抗として呈示し得ているところがすばらしいと思うのだ。
あのひとみの一瞥で呈示し得ているところがすばらしいと思うのだ、中島美嘉。

あとのコたちは、
ペルセデス(島谷ひとみ)、アンドロメダ(aiko)、ジュピター(平原綾香)、と、宇宙時代を築いてください、でもってそのあとは宇宙企画へどーぞ。


今日になって『ゆらゆら帝国のめまい』『ゆらゆら帝国のしびれ』を聴いていますると、ナンバーガールの王位継承は彼らだな、と、思う。
あとは町田町蔵、江戸アケミ、浅井健一、吉井和哉のような巨星になるのかどうかは未知数なりや。
ゆらゆら帝国の『な・ま・し・び・れ・な・ま・め・ま・い』のほうはアルバム規模のボリュームでのライブ音源がたった1000円だったので、
hydeの初回限定DVD付き『666』と一緒にすでに買っていたものでしたが。

「たださんが聴いている、この、ゆらゆら帝国って、どういう意味なんですかね?」とたずねてくる同僚Fさん53さい。
息子さん(18さい)がバイク事故にあった話をしていた。
キャップを頭に載せるようにしたまま(あごひももかけてない)でスクーターに乗って交差点で一時停止無視をしたトラックと衝突。
先行きの見えない意識不明状態が1ヶ月続く。
Fさん「寝ても覚めても、息子の眼球がぐるぐる意識不明でさまよっている姿が離れなくて、生きている心地がしなかったですよー」。
微慢性脳軸策損傷。

Fさんは、新宿西口フォーク集会に集まっていた若者のひとりだった。
吉田拓郎も岡林信康も井上陽水もリアルタイムで聴いてきた。森山良子のファンでもあってLPも全部買ってコンサートもかなり通った。
同世代の若者たちのほとんどがそうであったようにフォークギターを練習した。

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01月25日(日)
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