ID:73399
羽積風narration
by 汐 楓菜
[75341hit]
■セミが鳴くような名の店で(丸わかり)
昨日は数名で中華を食べに行ってました。
あぁ、中華と言ってもグルングルン回るようなところじゃありません。
よくあるチェーン店です(ちなみに王将ではない)。
また、よくあることに
ナス味噌炒めに小さな虫が入っていたんですね。
フロア担当の若い女性店員に報告するじゃないですか。普通に。
「あの〜、虫が入ってるんですけど」
「あ」(とつぶやいて、皿を引き下げる)
本当にそれだけだったんですよ。彼女のしたことは。謝るでもなく。
そして、少しあとで調理場の男性が謝りに出てきたのです。
おい、女、謝れよ!
と、まず至極普通にムカついたわけです。
いっしょにいた友達がものすごく怖い顔をしてフツフツと怒りを
抑えていたのが怖くて怒りそびれたようなところがありますが。
で、そこから。いろいろ思ったのですが。
まず、彼女は悪気があって謝らなかったのか?
たぶんそんなことはないと思う。そういう感じではないと。
確かに彼女は接客に向いてない。
そういう時はとっさに無条件にちょっと大げさなくらい謝っておけば
事態は丸く収まるのだ、ということをわかっていない彼女は向いてない。
ただ、“悪いことをしたら謝る”という感覚そのものが
あまり染み付いていないだけなのではないだろうか。
それは店の教育云々ではなく、もっと子供時代に遡って
親の教育であったり、友達との係わり合いであったり…。
ん?悪いことをしたら謝るって、
そもそも彼女は悪いことをしたのか?
虫は上に乗っかっていたという感じではなく、
明らかに調理中に紛れ込んだように入っていた。
彼女が調理したのではない。
既に虫が入ったものを、そうと知らずに渡されて運んだだけだ。
そして調理中にミスをおかした調理師は、ちゃんと謝りに出てきた。
…それでいいじゃないか。どこに問題があるんだ。
“フロア担当は、客に接する位置にいる者なので店の顔である。
だから、店の中の他のあらゆる分担をしている人を代表して
振舞わなければならない”
というような感覚が私たちには染み付いているけれど、
果たしてそれは正しいのか?
店や会社というものは、そういう連帯責任のものとして
あたりまえのように存在してきたけれど。
私にもいちおう接客経験はあるので、
理不尽なことで謝らなければならない気持ちもわかる。
自分の努力や心がけで防ぎようの無い事態を
代表して謝らなければならないどうしようもない気持ち。
もともと個人主義の強いタイプであるし。
彼女の仕事は、なんなのだ?
彼女の時給に含まれている、最低限の仕事は。
オーダーを取り、調理場から客席へ運び、会計をする。
そこまでか?
自分以外の店員がしたミスを謝るということは業務内容に入っているのか?
自己判断にゆだねられるグレーゾーンになるのか?
そもそも、飲食店の役割というのは、なんなのだ?
雰囲気重視の高級料亭でもない町の飯屋の、最低限の役割は。
注文された料理と、食べるスペースを提供する。
そこまでか?
客が気分良く過ごせるように配慮するということは役割に入っていないのか?
店の方針にゆだねられるグレーゾーンになるのか?
あぁ、なんか、そういうようなことをキュルキュルっと考えたり。
まぁ、私は明日からも普通の社会人として
誰かの代わりに謝ったり謝られたりしていくんだけれど。
とりあえず今は、それで、いい。
09月20日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る