ID:73399
羽積風narration
by 汐 楓菜
[75506hit]
■[バイト体験記A]アイスの試食販売inスーパー
【前編(昨日)】
今日と明日は、大手スーパーDのH駅前店内で
□□乳業のアイスクリーム△▽△の試食販売をすることに。
この寒いのに、アイスクリームの試食販売。なぜなんだ。
これはもう「おこたでアイス、ちょっと贅沢。いかがですか」
しか無いな・・・と思いつつ現場へ向かう。
Dの系列店で昔数年レジのバイトをやっていたことがあり、
「懐かしいな〜」などと暢気に感じる余裕はあるものの、
試食販売の仕事は丸っきり初めてだ。
試食販売どころか、ここ五年以上はデスクワークばかりで
パソコンとのみ喋る日々。
こないだだっておせちと喋っただけだし、本業の社内では
人一倍無愛想な女として君臨している私。
人間相手に商品を勧めるなんて無謀な話だったかも知れない。
しかも試食コーナーなんて、客としての私が最も苦手とする
コーナーで、いつも遠回りして通り過ぎていくのだ。
大丈夫か、私!? 勝算はあるのか。そして賞賛はあるのか。
でも、密かに自信あり。
レジのときはお客さまから これでわりと人気者だったのだ。
レジといってもバーコードを通すだけの流れ作業ではないのさ。
それに今はなにより、久しぶりに人と喋る仕事をしてみたい。
(この先ずっとはイヤだけど)。
スーパーDに到着。勝手のわからないバックヤードを
うろうろしながら担当さんを探す。
開店準備時間だから、勝手知ったる人たちもテンテコマイだ。
「デイリー担当のマネージャーさんはどちらに・・・」
なかなか誰にも相手してもらえない。偶然本人に当たり、発見。
「□□乳業の試食販売で参りました。よろしくお願いします!」
「あれ?今日頼んでたっけ?」
「・・・はい。今日と明日ということでお聞きしてますが」
「あぁ、そうやったか。あはは。」
試食用の道具と業務日報は前もって送られていると
派遣会社から説明を聞いていたので探す。
・・・カップと業務日報が届いてないじゃないかっ!
カップなしで、どうやって食べてもらえばいいんだ。
「すいません。カップが手違いで届いていないようなので、
分けていただけませんか?」・・・ばか、派遣会社。
他に大きな荷物が届いている様子。なんだこりゃ。
組み立て式のようだが、説明書も何もない。
とりあえず組んでみる。あぁ、試食台とゴミ箱になるのね。
たぶん、まったく関係ない商品の場所なんかも
お客さまに訊かれることがあるだろう。
そんなこと私はこの店の従業員じゃないのだから
わかるはずもないんだけど、そんな事情もお客さまには
関係ないことなのだから、事前に売り場を一周して
だいたいの感じは掴んでおきたい。
商品の味を知らないことには勧めようもないから
六種類のアイス一通りの味見はしておきたい。
売れた数を後で出すために、最初の品数を数えておかなくちゃ。
・・・全部、無理。
誰だよ「20分前に入れば余裕ですから」とか言ったの。
30分前に入ったけど、めっちゃギリギリ、どうにか
開店前に見た目だけ整った程度だよ。ばかばか派遣会社。
試食用のアイスをカップに取り分ける。
ストロベリーやマンゴーは問題ないものの、
バニラは・・・か、固いっ!開けたばかりだとスプーンが刺さらない。
あ〜、純度の高いやつほど固いんだよなぁ、確か。
でも抹茶のほうが固い!何故だ!?
・・・と、頭の中が一瞬 理科の教科書に。
まぁ無い知識は出てこないので、謎を解明するのはあきらめる。
そんなこんなで、さぁ開店!
さぁ!言えるのか?私。声は出るのか?私。
ところで・・・何て言うんだ!?
「ただいま□□乳業のアイスクリーム△▽△の試食を
行なっております。いかがですか〜?」・・・言ってる(笑)。
事前に担当さんから聞いていた。あまり売れてないんだと。
そう、通常価格230円・今日明日の特価で198円の
小さいカップアイスという、ちょっと贅沢な代物なのだ。
これは難しい。どうせその値段を出すのならHDを買うだろう。
[5]続きを読む
01月05日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る