ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■Jユース杯 決勝トーナメント 展望
清水エスパルスユース

予選リーグDグループ2位、8年連続8回目(決勝トーナメント)[静岡県] 監督・築館範男

 Group of 「D」eath を3勝1分2敗、7グループの2位チームの中で5番目の成績と、どうにか予選通過に成功した。度々言っていることだが、少数主義で、自然と下級生の起用が多くなる清水の場合、彼らがユースに慣れてきた秋から冬に、本領を発揮することが多かった。だが、今年の清水は「死のグループ」にも関わらず、高円宮杯後に大胆に世代交代を敢行。特に高柳・篠田大の抜けた最終ラインは、CBの石垣・村越が共に前に出て強いタイプだけに、組織的なカバーリングに欠けて、度々乱れることになった。
 リスクを冒してでも世代交代を着手にしたのには、やはりプリンスリーグの導入のためだろう。今年のプリンスでは、高校勢や、同じクラブ勢でも夏に昇格しない3年生が引退する磐田や名古屋に対し、戦力の「層」で劣るところがあった。プリンスを勝ち抜き、ユース年代最高峰の高円宮杯に出場することによる経験値は、選手を大きく成長させる。今後は、プリンス→高円宮杯を中心に置いた育成スケジュールが、組まれることになりそうだ。
 そのため、今年の集大成となった高円宮杯の頃に比べ、現時点の実力は若干落ちる。選手の入れ替えのあった最終ラインだけでなく、中盤以上でもメンバーの組み替えでバランスを崩すことがあり、組織の成熟度はかなり落ちた。とはいえ、試行錯誤しつつ、予選通過の結果を出したことは大きい。山本真はチームの鍵を握る選手に成長し、篠田悠の高い決定力によって、阿部を抑えれば何とかなるチームではなくなった。石垣の空中戦はセットプレーにおいて大きな武器であり、防具である。高野美や岡村も含めて、伸びしろのある彼らが、激戦区であった予選を通過した勢いのままに勝ち進めば、高円宮杯のチームを越えることも可能だろう。全ては優勝候補筆頭、ガンバ相手の緒戦次第である。


■選手名簿
 別記参照方


■基本フォーメーション(名前の横は学年)

−−−−−−−阿部3−− 篠田悠1 −−−−−−

−鈴木真2−−−−−−−−−−−−−山本真1−
                  (上埜2)
−−−−−−−大瀧3−−−枝村2−−−−−−−

−高野美1−−村越2−−−石垣1−−−森安3−
(岡村2)
−−−−−−−−− 山本海3 −−−−−−−−−

 以上は、Jユースカップの出場時間11傑を、筆者がベストと考える布陣に組んだもの。実際に上記で戦ったことは一度もない。出場時間の12位以下は、岡村、篠田大、上埜、谷野、前田、高柳、柴田と続く。柴田が八木や獅子内と、受験勉強に励んだ高柳(学芸大への推薦に合格したそうで。おめでとうございます)が杉山雄あたりと入れ替わる可能性はあるが、この7名が有力な控え候補と言ってよいだろう。
 予選を通して、築館監督は、阿部・大瀧・鈴木真・枝村・篠田悠・山本真という、各年代トップクラスである攻撃のタレントを共存させるのに非常に苦慮しており、大瀧は左右MF・ボランチ・左SB、鈴木真がFW・左右MF・ボランチ、篠田悠がFWと右MFと、様々なポジションで試されている。大瀧・枝村で組む際の守備の軽さ、鈴木真がMFとして連携に難を抱える点、山本真の総合力と運動量を活かすには自由に動けるボランチがベストなことなどが、監督を悩ませるのだろう。が、個人的には上記を推す。枝村には走らせる役割を担わせることで覚醒を期待できるし、山本真の縦への突破力はサイドでこそ活きるものだと思うのだ。なお、鈴木真を左MFで使うのであれば、左SBは同期であり、劣らぬスピードで鈴木真に対応できる岡村を推す。
 なお、予選グループ最終戦で枝村と鈴木真が通算2枚目の警告を受けており、出場停止が決勝トーナメントにも及ぶようであれば、大幅な修正を求められる。左がMFを大瀧で、SBに岡村か篠田大、ボランチを森安と山本真、右がMFに上埜か谷野か柴田で、SBに高野美というのが、考えられる線か。


■主力選手
10:阿部文一朗 予選540分出場5得点。ポストやサイド突破もあるが、やはりエース。得点こそが仕事。▲○#

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12月07日(日)
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