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えすぱっ子
by ひかる。
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■JY (中2): ナイキ杯 京都パープルサンガ戦
今度は前半が清水の順風。開始早々、成田の左クロスをゴール前で柴原が合わせて口火を切る。京都は11分、深澤のファウルで得たFKがファーに流れたのを宮吉が拾い、右クロスを梅田が合わせる場面があったが、GK井出が好セーヴ。優位に試合を進める清水だが、ワントップの宮吉を残して全員が献身的に戻る京都の守備は堅く、柴原や田代がミドルで打開を図る。29分には柴原が30Mをドリブル突破、戻したボールを追走してきた田代がPA内で合わせるが、DFにブロックされた。守備では京都に数的有利となる場面を与えず、常に正しい選択を行う中原を中心に確実に跳ね返した。
後半、逆風。だが、その影響を見せず、1分にはゴールキックの深澤の跳ね返しから、柴原がいきなりドリブルシュートを放つ。特に左の成田が絶好調で、5分、右CKの流れからクロス、坂口が繋いで荻のシュートは枠外。12分のクロスは柴原が頭で流して坂口が戻し、田代のミドルは威力弱。14分のクロスは柴原がドリブルで挑むがカットされる。が、再度奪い返し、もう一度高速クロスをDFの裏に通すと、柴原、松田、そして大外で坂口が頭から突っ込んだ。GKごとゴールに押し込んだかに見えたが、ファウルの判定でノーゴールになってしまう。京都は10分、伊藤のロビングパスで宮吉が裏に抜けたが、GK井出が体を張った。
その後も清水の攻勢は続いたが、27分、駒井の個人技から失点を許してしまう。すると29分、自陣右でパスを受けた柴原は軽いフェイントからの加速で寄せに来た2人をかわし、更に進路を塞いだDFも最高速のまま突破。PA右角付近から右足を強振する。GKの腕を越えたシュートは、しかしボール一つ分落ちきらずに左上角を外れ、柴原はフィールドに突っ伏した。伝説は生まれず、清水のベスト4敗退が決まった。幾人もの選手が人目も憚らず泣きじゃくっていたが、その涙がきっと今後の成長の糧になるはずだ。
最後に。自分の子どものことだけに熱くなるのもわからなくもないが、ほんの13、14歳の相手選手に対して口が過ぎるのは、応援の範疇を越えていると思う。ただ、サッカーという競技では、今後高校、Jリーグ、欧州リーグ、国際試合と舞台が大きくなるにつれ、人倫にも悖るような野次が飛んでいるのも事実。それ自体は勿論、良いことではない。だが、選手にはそれを乗り越えられるぐらい、心を強くしてほしい。この試合、成田はサイドプレーヤーで、しかもガツガツぶつかるのが彼のプレースタイルということもあり、随分と非難の声が飛んでいたが、2試合目の準決勝、彼は見違えるようなプレーでそれを跳ね返した。加藤監督も「プレーしよう!」と声を掛け、京都の矢作監督も冷静にプレーするように指示を出していた。選手と両監督を頼もしく思った。
▼個人的好印象選手
柴原 誠 (CH): 本当に足を痛めたか疑ってしまうほどのキープ力とスピード。球足の速いキックが、いちいち正確だ。
成田 恭輔 (LH): 球際に強く、人を食った軽いタッチでマークをかわし、しかし左足のキックは低い弾道でよく伸びる。
[相手方好印象選手]
駒井 善成 (RH): 石黒・伊藤も優れたドリブラーだが、相手を抜く点で駒井のアジリティとステップワークが群を抜く。
05月04日(木)
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