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えすぱっ子
by ひかる。
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■クラブ選手権 静岡県予選 ジュビロ磐田戦 前夜の展望
 中盤は右の谷野がポイント。前述した通り、先発から両サイドにドリブラーを配するシステムは、両ボランチへの負担が大きすぎる。昨年の大瀧が盛んに中央に入ってボランチを助けたように、右に谷野を置いて上埜と入れ替わりながら、バイタルエリアにスペースを渡さないようにする。池田が上がり気味の真司の裏をカバーし、少しずつ左にズレる格好で守る。その左の真司が突破口。磐田右WBを押し込んで、右CBを誘い出す役目を担う。長沢が中盤に下がってポストに入る動きで左CBを誘い出せば、悠輔がPA内で相手リベロ相手と1対1の駆け引きできる。彼はPA内で前を向けば、確実にゴールを決められる選手、期待に応えられる「エース」だ。

 交代の狙いは2つある。1つはポジションチェンジを含めて前線を次々に入れ替えることで、相手に守備の基準点を絞らせないこと。提案した選手交代では、FWが4人、左右のサイドハーフがそれぞれ2名ずつ入れ替わる。今年は例年に比べ飛び抜けた選手は少ないが、その分、層が厚い。その特長を最大限に活かすべきだろう。2つ目にスピードのある選手を投入すること。ドリブラーばかりだとボランチが孤立すしやすいという戦術的欠陥を批判したが、疲労で選手間の距離が開く後半になれば、ボランチが相手のプレスに囲まれる危険は低くなる。その状況ならば、築館監督が好む両サイドからドリブルで崩す戦術も機能するし、事実、プリンス東海では前半より後半の方が優位に試合を進めてきた (4試合シュート総数:前半14/後半27) 。また、村越・悠輔・前田らが復帰するならば、怪我の再発に細心の注意を払い、交代が必要か見極めなければならない。
 なお、筆者はパワープレーについて、懐疑的である。結果が出ていないこともあるが、そもそも清水エスパルスユースのサッカーは、中盤で優位に立つサッカーのはずだ。慣れない戦術で偶然を待つよりも、SBやボランチを攻撃的な選手に切り替え、親しんだ戦術を前掛かりにして特攻を仕掛けた方がいい。一方、ミッションコンプリートしていれば無理する必要はなく、攻められているサイドに美臣を入れて立ち直したりすればよかろう。なお、真希のベンチ入りは基本的に張り子の虎である。
 色々書いてきたが、最後に勝敗を決するのは精神面だ。けれども、モチベーションの危惧はしていない。今がどんな状況なのか、選手は十分に理解しているだろう。ただ理解しているならば、意識して声を出してもらいたい。むしろ不安は焦り。確かにこの試合は、クラブ選手権敗退という大きなものが懸かっている。だが、ノルマである2−0というスコアは、決して背水の陣を布くほどではない。まず守備、そして中盤でボールを回して隙を探し、FWがそれを突く。オーソドックスなサッカーを展開し、機能すれば、十分に実現可能なスコアだ。また、先制されても焦る必要はない。ある意味、3失点以上すれば、2点差が必要なくなるのだ (4得点以上で勝てば、得点数で清水勝ち抜け) 。選手には昨年、0−3から同点に追いついて予選勝ち抜けを決めたJユースカップ柏戦を思い出し、ポジティブな気持ちで試合に臨んでほしいと思う。

05月21日(金)
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