ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
[1244760hit]
■高円宮杯 滝川第二高校戦
しかし、この攻勢が潰えたことで、先に清水が緊張の糸を切ってしまったようだ。粘り強くこの時間帯を耐え抜いた滝二は、42分の速攻から橋本が上げた右クロスで反撃開始。ファーで森安がタッチに逃げたが、スローインの際にまたも木島へのマークを離してしまい、木島のクロスを逆サイドで橋本が折り返すが、今度は村越がCKに逃れる。新井のショートコーナーから中根の上げたクロスは枝村がゴールラインにクリアして、やり直し。すると、意表を突いた地を這う速いキックが、正確にPA内ゴール10Mでフリーの瀧原の足下へ。ところが、瀧原はこれを外してしまう。
だが、これは次の場面の練習に過ぎなかった。ロスタイム、森安と対峙する木島から、内側から追い越した中根へとパスを渡ると、谷野が前に回り込む間に左サイドに流す。すると、森安がまたまた木島を離してしまい、単身ゴールライン際、PAの僅かに外まで持ち込んで速く低いクロス。今度は3Mもない至近距離で、再びエース、瀧原。会場からも「決まった!」と声が出たほどの決定機だったが、機敏にキッカーを察知していた海人は、ポジション修正済み。インサイドで狙ったはずのキックを正に真正面で「キャッチ」し、二次攻撃すら許さなかった。
素直な攻撃では、海人には通用しない。ある意味、失点以上に大きなプレッシャーを滝二に与えて、前半を折り返した。
滝川二 清水エスパルス
6(3) シュート 7(2) ×高柳、○阿部、×大瀧、◎阿部、×真司、×真希、×阿部
3(0) 右クロス 6(3) ×真司、×森安、○谷野、○谷野、×谷野、○谷野
10(4) 左クロス 4(1) ○篠田、×阿部、×篠田、×篠田
1(0) 右側CK 1(0) ×大瀧
2(1) 左側CK 2(1) ○枝村、×枝村
1(−) 犯OS 1(−) 阿部
7(−) ファウル 12(−) 阿部、大瀧、枝村、谷野、大瀧、阿部、枝村、谷野、阿部、村越
村越、村越
[後半]
開始早々1分、真希が自陣左サイドでヒールパスの当たり損ねというオサレミスで瀧原にボールを奪われ、右クロスに163cmの新井が飛び込むという危機を迎える。頭を掠めただけで終わったが、新井と瀧原がの役割が逆ならば、決定的な場面であった。だが、その直後の2分、大瀧が柏木に倒されて得たFKを、ほぼ中央、距離30Mはある位置から真希が強烈、だが激しく曲げて落ちるキックで滝二ゴールを脅かし(GKセーヴ)、素早く汚名は返上した。
その後は前半同様、潰し合いの時間が続き、5分、清水陣内での木島のファウルで得たFKを、倒された森安が大瀧に正確にチェンジサイド。計ったようなスルーパスを大瀧が送ると、追い越していった篠田がライン寸前で追いついて、ダイレクトで左クロスを上げる。が、これは味方が追いつかず、ファーに流れた。しかし、滝二のスローインは枝村がカット、PA右角手前の真司とのワンツーで横に動き、今度はPA内の阿部へと縦にクサビ。阿部が柔らかく右横裏に返すと、そこに枝村が抜け出してGKと1対1に。以上、ここまで全てダイレクトプレー。そして枝村は憎らしいほど冷静に、得意の左足アウトサイドフックでスライドしてGKを外すと、ガラ空きのゴールに左足で押し込んだ。2−0。片手を突き上げて、誇り高らかなゴールパフォーマンス。
拮抗したバランスを大きく崩す2点目に滝二は動揺したのか、8分に相手陣内深くからのスローインで、大瀧が投げ戻す。すると真希は相手プレスが遅れを確認、意を決してドリブルを開始する。PA外で行方を遮る相手を内に切れ込んで交わすと、PA内で次の相手を今度は縦に弾んで方向転換、そこを塞ぐ相手に再び内に跳ねてGKへの至近距離に達する。小さな振りから強烈なシュートを放つが、188cmの巨体を倒した上杉がブロック、だがリバウンドの先にいた阿部が、トラップで殺到するDF1枚交わす余裕を見せて確実に押し込み、3−0。阿部と真希は抱き合って喜びを分かち合い、続けざまに決定的な3点目が決まった。
[5]続きを読む
09月28日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る