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えすぱっ子
by ひかる。
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■高円宮杯 東福岡高校戦
だが、先制を許したものの、飛び道具の一発は大勢を覆すには至らない。直後の7分にも、左WB岡村が左クロスの跳ね返りを自ら拾い、後ろにフォローに来たトップ下の真希へ。真希は浮き球のリフティングで鮮やかにマークを外し、中央にパスを送ると走り込んだ村越が汚名返上のミドル砲。だが、GK坂本がゴールライン外に弾き出す。16分には真希がドリブルからFW石垣にクサビ、小さく横に叩いて右WB上埜のミドルもGK坂本。21分、枝村がサイドに捌いたボールに、真希がPAの左横から突入してシュートは枠上。更に29分、自陣に下がった真希のロングフィードを石垣が落として、枝村がため息の出るような美しいサイドチェンジ。6年間、枝村のパスを受けてきた岡村が走り、上げた左クロスは187cmのCB近藤もクリアできず、ファーに起点となった枝村が飛び込む。桐蔭戦と同じような形は、しかし、これも僅かに枠上。決定機を活かすことができなかった。
この清水の攻勢は、両WBの岡村と上埜が、東福岡の象徴と言える両ウイング、木佐木と伊藤に対して優位に立っていたからこそだった。サイドの使えない東福岡の攻撃力は半減。単調なクロスやロングボールは、スイーパーの美臣にカバーリングを任せた左右CB、佐野・村越の餌食となっていた。しかし、32分、直前に交代投入されたトップ下・里が、ロングボールに対して佐野に頭で競り勝つと (余談ながら、東福岡はヘディングで落とすコントロールと、それに連動した周囲のポジションが素晴らしい)、葛城が裏で拾って抜け出す。縦を切った美臣を前に中にスライドすると、左斜めに横パス。そこに上埜のマークを外して走り込んできた伊藤が、フリーでシュートを撃つも、ファーに外してしまった。
このプレーを境に、序盤から快調に飛ばしてきた岡村が失速。俊足・木佐木に逆にサイドを押し込まれるようになった。すると、清水の方がロングボールに頼らざるを得なくなり、枝村が組み立てに関われなくなってしまう。枝村が参加しない清水の攻撃力は半減、試合の主導権は一転して東福岡へ。それでも引いて守っていることと、東福岡のコントロールタワー野内をボランチ池田が潰していることで、シュートチャンスは作らせなかった。
41分、混戦の中でのルーズボールの奪い合いで村越のプレーが咎められ、失点場面とほぼ同じ位置からFKを許してしまう。蹴るのは先程と同じく木佐木。同じような軌跡を描いてボールは壁を越え、ドライヴして落ちる。GK風間は、反応できない。が、今度はニアポストが跳ね返す。と、転がるボールをファーポストが押し込み、ボールは必死に横っ飛びしたGK風間の手も届かず、ラインを割ってしまった。0−2。不運とは、こういうことを言うのだろう。
前半の相手の枠内シュートは2本のみ。流れの中で優勢を築きながら、開始直後と前半終了直前にFKで失点。さすがに飛び道具の二発は清水を意気消沈させたが、何とか東福岡の攻撃を凌ぎきって、前半を終えた。
東福岡高校 清水エスパルス
4(2) シュート 7(3) ○枝村、×真希、○村越、○上埜、×真希、×真希、×枝村
9(2) 右クロス 0(0)
5(0) 左クロス 5(1) ×岡村、×岡村、×岡村、○岡村、×岡村
2(0) 右側CK 1(0) ×真司
0(0) 左側CK 2(0) ×真司、×真希
0(−) 犯OS 4(−) ・真司、・上埜、・石垣、・石垣
4(0) ファウル 4(2) ×村越、・石垣、・村越、×村越
[後半]
再開後、僅かに1分。それまで、ほぼ完全に池田に抑え込まれていた東福岡・野内の鮮やかなサイドチェンジ。韋駄天右ウイング木佐木が抜け出して上げたクロスを、ファーに左ウイング伊藤が駆け込んでシュート。これぞ「ヒガシのサッカー」的な攻撃だが、GK風間が見事に攻撃を読んでシュートブロック、さらにリバウンドを葛城がPA外から狙ったが、風間がポジションを取り直してきっちりキャッチした。しかし、2分にもサイドチェンジから伊藤の左クロスに葛城に飛び込まれるなど、気持ちが切り替えられていない様相をさらけ出す。
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09月26日(日)
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