ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
[1244527hit]

■クラブ選手権 静岡県予選 ジュビロ磐田戦+JY: 静学中戦
 清水は気力こそ勝るとも劣らないが、細かいところから組織の違いは歴然。3−5−2の磐田に対し、4−4−2の清水はサイドで数的有利を作りやすいはずなのだが、SBとの連携が悪く、SHが単独突破を仕掛けては複数に囲まれ、潰されていった。特に右の小泉と上埜の連携が悪く、しかし小泉もスペースにボールが出ても、増田とのスピード勝負・萩原のカバーリングを前に、撤退を余儀なくされる。ただ、その上埜が頻繁にボランチの位置に攻め上がることで、3人目の司令塔として機能。DF経験の浅い上埜は守備でリスクを抱えたが、ともかく試合の趨勢に最も重要な中盤中央の主導権争いでは、悠輔のポスト・真希のキープ力・池田の運動量の貢献もあり、4対6ぐらいで健闘していた。

 13分、PA右角付近まで上がってきた上埜が、左にサイドチェンジ。PA左角の外から岡村がミドルを放ったが、僅かにファーに外れえう。14分には磐田、PA左手前に攻め上がった上田の斜め右へのパスに、中村がPA内の右側へと飛び込んでシュートは、GK風間がファインセーヴ。16分、PA外右側でポストに入った真司のサイドチェンジが、森下に引っ掛かって運良く岡村の足下へ。岡村は縦に勝負し、ゴールライン際で折り返したマイナスのクロスを、ニアの悠輔が詰まりながらも、右足アウトサイドで引っ掛けるようにシュート。枠の上に外れる。
 その後、暫くは中盤の潰し合いに。磐田は29分に石神の右クロスからPA内で混戦となる好機があったが、岩本・石垣が踏ん張ってブロックし、最後徳増のミドルは枠上に。逆に清水は33分、自陣で上埜のサイドチェンジを美臣が受け、縦にクサビ。これを岡村がダイレクトで前へ流すと、真司が左サイドから裏へと飛び出し、初めて組織的な崩しに成功する。ゴールライン付近まで縦に抜け、悠輔も併走してニアにポジションを取るが、真司は左クロスを悠輔の背後、PA内左45度へとマイナスに送り込んだ。が、そこには誰もいない…。こうしたちょっとした意思疎通の違いの積み重ねが、磐田との差なのだろう。結局、清水が磐田の守備組織を崩したのは、これが最初で最後となった。
 35分、自陣・上埜の縦パスが上田?に引っ掛かるミス、高い位置でカウンターを許し、その上埜の裏に増田が走り込んでパスを受け、PA内左30度からシュートを放ったが、GK風間が一度こぼしはしたが、素晴らしい反応でファーへのシュートをストップ。その後は大きな動きなく、前半を0−0のまま、折り返した。スコアは決して悪くなく、好機の数自体に大きな差はなかったが、好機に至る過程が偶然か意図的かに明確な差があり、結果として決定機の質が全く異なる前半だった。GK風間と八田の忙しさを比べれば、まるで違う。

磐田       清水エスパルス
7(2) シュート 3(1) ×岡村、×悠輔、○上埜
3(0) 右クロス 3(0) ×小泉、×上埜、×上埜
2(1) 左クロス 3(1) ○岡村、×美臣、×真司
1(0) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) ・真司、・悠輔
8(0) ファウル 6(0) ・悠輔、・悠輔、・岡村、・悠輔、・上埜、・岡村

[後半]
 開始早々0分、右サイドの裏に抜けた石神の高速クロスを、ファーの岡本がヘッドでそのまま左に鋭く決め、磐田先制、0−1。これで事実上、勝負あり。この試合、「2点差」勝利が必要な清水は、先制して初めてスタートラインに立てた。先制されれば後は、無謀な攻勢を仕掛けるしかない。そして、それが許される彼我の実力差ではないのだ。

[5]続きを読む

05月22日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る