ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
[1244667hit]
■JY: 高円宮杯 全国大会 FC東京戦
31分:セカンドボールを右MFの田村が中央に絞って拾うと、体を寄せられながらも反転して、左へ展開。杉山和が加速しながら受けるが、F東京(椋原?)が進路を塞いでドリブルをブロックする。が、そこに杉山和と連動して動き出していた桑原卓が詰め寄り、勢いのままに再奪取。すぐさま左に叩くと、動き直していた杉山和が、フリーで裏に抜け、左サイドを十分に抉った。満を持して上げたマイナスの高速クロスに、我先にと駆け込む町田・長沢・池田。味方との競走に勝った町田が、速度を緩めてニアで右足をアウトで合わせ、遂に均衡破れる。1−0。
(チーム全員で喜びを爆発させた清水の選手が、急ぎ自陣に戻る。喜びの輪に参加できないGKの山崎晃が、少し可哀想だ(苦笑))
寸評:前半の後半以上に、拮抗した内容。体力の消耗に伴い、徐々に中盤にスペースが空き出すのだが、それ以上に両軍の集中力が上回り、清水の場合、5分の杉山和のシュート以降、26分間も次のシュートが生まれなかった。互いに攻撃の起点を作れない中、清水は田村の投入と桑原卓の攻撃参加によって、なおもサイド攻撃に拘り、一方のF東京は、前線の豊富な駒を入れ替えて、打開を図る。すると、31分、清水はターンオーバーから凄まじい展開の速さと厚みにおいて、遂にF東京の牙城を崩した。F東京は最後、怪我に泣いた主将の吉本を前線に入れるが、むしろ焦りから清水にカウンターを許してしまい、一歩及ばず。激戦を制したのは、清水の判断の速さだった。
ペリマンの言葉だったか、「ダンスは一人では踊れない」というものがある。素晴らしい試合を見せるには、素晴らしい相手(ペア)が必要だ、という意味だ。これだけの試合が見られたのも、F東京が素晴らしいチームだったから。次のヴェルディも強敵だが、F東京のためにも、必ず頂点に立ってもらいたい。
FC東京 清水エスパルス
5(1) シュート 4(1) ×長沢、×杉和、◎町田、×田村
3(0) 右クロス 3(1) ○渥美、×渥美、×田村
2(0) 左クロス 2(2) ○杉和、◎杉和
1(1) 右側CK 1(0) ×池田
1(0) 左側CK 1(0) ×池田
4(−) 犯OS 3(−) ・町田、・町田、・長沢
5(0) ファウル 6(1) ・神田、・杉和、・小泉、×池田、・桑卓、・渥美
▼試合結果
清水エスパルスジュニアユース 1−0 FC東京U-15
得点:後半31分:清水 ・町田朋弥(杉山和毅・左クロス)
警告:後半16分:清水 ・小泉慶治(ラフプレイ)
後半29分:F東京・寺島尚彦(ラフプレイ)
▼選手寸評
[私撰MVP]
●佐野克彦 70分間出場:クロス1(左1)
空中戦の強さは言うに及ばず、高い身体能力と巧みな体捌きで、F東京の地上突破を次々と潰す。岩本の支援を受け、正に鉄壁。桑原卓を自由に攻めさせながら、その左サイドのカバーも実にお見事だった。
[私撰MIP]
●杉山和毅 70分間出場:アシスト1、シュート1、クロス3(左3、成功2)
荒削りながら、中2にして既に、ドリブル突破からのクロスの自分の形を築いている選手。動き出しの修正も怠ることなく、微妙に変化を付ける桑原卓のキックの真価を、十分に引き出した。
●池田康彦 70分間出場:シュート2、クロス1(左1)
燻し銀。F東京の巧緻なトップ下に正対し、判断と運動量で起点を作らせなかった。キープと展開の使い分けにも長け、同じく技術と運動量を兼備する神田とのコンビは、安定感があった。
[個人的好印象選手(相手方)]
中野遼太郎(中3):高いキープ力で清水序盤の攻勢を徐々に沈静化、しぶとく反攻の機会を創出した。
権田修一(中3):圧倒的な身体能力で清水のクロスを次々と撃沈。正確なキックで攻撃の起点にも。
ここの挙げなかった選手でも、非常にレベルの高い試合ながら、そのレベルに相応しくない選手は全くいなかった。唯一、気持ちが空回りしてるかに思えた町田だが、その彼が決勝点を奪うのだから、分からないものである。同時に、身体的には未完成の選手が多く、両軍の選手の将来を、否応なく期待してしまう試合だった。
[5]続きを読む
12月24日(水)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る