ID:70753
えすぱっ子
by ひかる。
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■JY:U14ナショナルトレセン
一方、クラブと高校・中学とのバランスや、誕生日(早熟選手と晩成選手)のバランスは、十分に考慮されていないという指摘も多い。何も意識しなければ、トレセンで教える最新の戦術論には、普段からそれに接する機会の多いクラブ出身選手の方が理解しやすく、選考されやすくなる。また、選考基準に「選手の成長過程を充分に把握」するとあるが、前述の通り学年ごとの配分は行っているが、学年内の成長過程の違い、例えば中学生の4月生まれと3月生まれでは心身の発達に大きな違いがあるが、殆ど無視されている。過当競争の起きている関東(茨城・群馬・栃木・千葉・埼玉・東京・神奈川・山梨)の配分も他と同数と相対的に少ないのも、重大な問題だろう(※1)。ピラミッド構造故に必要となる選抜機能が、特にU-12では子供の間で差別意識に繋がっている、という親御さんの声もよく聞かれている(※3)。一方、それまでは恒常的に都道府県トレセンに参加していた選手しか次のステップに選ばれることがなかったのだが、現在は怪我や代表遠征などで参加できなかった選手を対象に「フォローアップ」と呼ばれる特別枠が設けられている。
注)従来より議論のあったことだが「ポスト2002」のトレセンとして、以下の改革方針が示されている。
※1:地域格差を考慮し、レベルが高い認められた地域からはより多く(32名程度)の選手を選出する。
※2:U-17世界大会の予選となるアジア大会(対象年齢はU-16)での敗退が続いている点、また中学→高校でチームが変わる際に受験などの理由でブランクが起こりがちな点を憂慮し、U-17のカテゴリをU-16に変更、特にこの年代の強化を図ることになった。
※3:U-12トレセンはナショナルトレセンを取りやめ、頂点を低くすると同時に、地域ごとに幅広く選手を集めることで、競争原理の緩和を図る。
▼指導方針
トレセンは、自分の所属チームでの活動をメインとした上で、それに上積みする形で世界を視野に入れた戦術・技術の習得させることを目的としている。特に従来の日本では、高校選手権が最も注目されていた事情から、ユース年代で勝利至上主義に基づく指導が横行してた。その反省として、将来を考えた選手育成の必要性が求められたのである。
指導は、日本協会公認の指導資格を持った者が行う。まず、W杯や五輪、U-20・U-17などの世界大会で結果を残したチームの勝因、また日本が参加した場合はその勝因と敗因を分析・評価した上で、日本の課題を抽出。その克服のためのシナリオ(=強化の方向性)が策定される。その戦略を具体的に示すのがナショナルトレセンの場で、その研修会で指導者間で共有化すると以下、地域トレセン→都道府県トレセン→地区トレセンへと、ピラミッド構造を下る形で全国に広めていく。こうして年代ごとの明確な目標設定、即ち「将来、世界で通用する選手にするためには、この世代では何を身につけなければならないか」という課題を日本全体で取り組んだ上で、次の世界大会に挑むことになる。その世界大会の成果は次のナショナルトレセンに反映され、このサイクルは更なる日本の勝利のために続いていく。
ただし、現在は、このシステマティックな育成プログラムのために、詰め込み教育になっているという批判もあることも指摘しておく。
03月26日(火)
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