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えすぱっ子
by ひかる。
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■選手紹介 1982年度組

 高いキープ力から繰り出す、正確な左足によるワイドな展開は、大きな魅力。重心の低い体勢で足下に収めるのが上手く、その上に確かな足下の技術があり、簡単に相手にボールを奪われることはない。ロングフィードは、力強く低い直線を描いて、狙ったゾーンにピタリと落とす。正確なだけでなく、スピードがあり、クリアできない極限の高さを平行移動するので、処理すべきDFには非常に嫌なことだろう。これを武器にセットプレーも担当するが、曲芸派が多い清水では、希少な存在といえる。体を張る守備もでき、最終ラインの前の防波堤としての役割も務める。
 一方で、県選抜などでトップ下に入った時には、中学時代を想起させる鋭いドリブルからのスルーパスなど即興性の高いプレーで魅せる。左足はミドルシュートにおいても威力抜群で、低い弾道で積極的に狙ってくる。リズムに緩急を付けられる知性を感じさせる選手であるが、忘れてならないのはその闘志。大人しいチームを叱咤しては、勝利への意欲を注入し続けた。ミドルシュートにも非常に積極的。
 技術は高く、フィジカルも平均以上あるのだが、運動量・機動性は乏しいのは課題。なまじキープ力があったものだから、数タッチで素早くパスを回すような、判断速度を磨く機会に恵まれなかった。特にパスを待って受けてしまう傾向は、早急に修正する必要がありそうだ。受ける前に周囲の遠近を見て、予め判断を下し、持ち過ぎないようにしたい。


▼高木 純平 1982.09.01 [170cm/62kg] 左右MF・左右SB・FW 「ジュンペイ」
  熊本YMCA→TOAスポーツJrユース→清水Jrユース(清水第二中)→清水ユース(清水商業)
  静岡国体少年選抜(00年)U-17NT(99年)
  趣味:サーフィン、プラモデル・フィギュア収集「スターウォーズ」「ガンダム」

 熊本人。肥後っ子。ブレイズ熊本に所属したという情報もあり。
 中1の途中、父の沼津転勤に伴い、純平のサッカーのため、家族で清水に移住。JrユースではFWとして活躍し、クラブ選手権でこそ優秀選手に選ばれたが、代表選出はなく、常に評価されたのは共に2トップを組んだ山口健(→清水商業)であった。しかし、クラブの評価は揺らぐことなく、高1ではFWに定着。高2では併せてアウトサイドにも挑戦すると、このポジションで高円宮杯平塚戦の意地のドリブルシュート、Jユース杯神戸戦では伝説に残る左センタリングエリアからの同点ドライブシュートを土壇場で決め、栄達を掴む。高3では、ゼムノビッチ監督により左右MF・左右SB全てのアウトサイドで起用、生来の強気は高いゴールへの積極性を引き出し、最強ユーティリティープレーヤーの地位を確立した。

 ユーティリティーという言葉から、柔軟な発想を持つバランスに長けた選手と思われがちだが、むしろ逆。ボールを受けた際に選択したパターンを、貫き通すタイプ。ジェネラリストではなく、自ら語る通り「スペシャリスト」なのである。斯様に愚直で不器用なプレースタイルでありながら、各ポジションへの高い適用性を与えているのは、尖鋭な程に磨き上げた自分の形に、絶対の自信があるからだろう。
 特に「必殺技」とさえ言えるのが、縦突破から切り返して放つドライヴシュート。応用で、ゴールに向かい突破しながら、DFが半身ずれた瞬間に放つパターンも持つ。ゴール前の人垣を無効にすべく飛び上がり、直後、鋭角に落ちる佳美な曲線は、数多くの劣勢や膠着状態を打破してきた。第二の得意技は、俊足を生かして縦に抜けトップスピードのまま送り出すセンタリング。深く足下に入れて突破するドリブルは、簡単に相手に奪還されることはないため、スペースのない場合には、独力で崩して突破することも可能。「必殺技」を繰り出す際、遜色なく両足の左右二択を有する点も大きい。村松と並ぶ端正な顔立ちも、エスパルスにとっては大きな武器に違いない(笑)。

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04月02日(金)
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