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ビバ彦♂日記
by ビバ彦
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■渡良瀬橋
気に入りました。フォーク〜ニューミュージック路線の中では最もいいんじゃないでしょうか。
歌唱に迷いがないですね。ファルセット気味になるところなんかなかなか味があると思います。
バックはツアー初期の音と違いますね。冒頭のリコーダーがカットされているし、アコギがあんなに
前に出て来てなかったような。ここらは記憶なので定かではありません。
アレンジはこれでいいんじゃないすかね。「THE LAST NIGHT」「風信子」「YOUR SONG〜青春宣誓」
に比べれば、リピート出来るだけでも恩の字です。う〜ん、アコギなかなか気持ちいいですね。
ストリングスも久々に生で良かったと思わせる出来映えでは?
実はこの曲、先週土曜日の松浦ライブ@足利市民会館でちょっしたエピソードがあるんですね。
会場から20分ほど歩いたところに、まさにいわくの“渡良瀬橋”がある足利市。夜の回のアンコール
(「シャイニング デイ」)後に、ダブルアンコールとして、一コンサートの中で二度歌われた曲なのです。
おそらく本人の意思なのでしょう、アンコール後舞台監督と10-20秒ほど相談をしてから(その模様の
一部は図らずもビジョンに映っていました)出てくる松浦さん。「監督さんにオーケーいただきました。
魂込めて歌います」と宣言してから歌ったそのパフォーマンスは、それそれは素晴らしい衝迫性を
持っており、僕も目頭を熱くしました。ファンの方は御存知かと思います。
その場に居合わせた僕も、この贈り物によって個人的に「渡良瀬橋」という曲に思い入れは芽生えましたが、
そのことを以てCDを評価しようとは思いません。松浦亜弥という才能の最も優れたところは、
一回性の秘跡を超えた何度でも繰り返せる汎用性・複数性ではないでしょうか? そしてこのCD
の歌唱とサウンドは、確かに一回性の実存的な重みを超えた普遍的な広がりを保持しているように思います。
ただ率直に言って、歌唱は現在のライブの方が明らかにいいですよね。壊れものを扱うような柔らかい
Aメロの歌い出しや、一転してCメロでの歌い上げの迫力などは全く違います。CDだと正確性・
聴きやすさを重んじているのでしょうか、やや型にはまった歌唱のように感じました。
「草原の人」も「YOUR SONG〜」もライブでどんどん変化/進化しましたしね。最新型の歌唱を
聴きたければライブへ足を運べ! ということで。これぞライブの醍醐味ですね。
さらに提案するならば、ボーカルの録りは一回で済ませるのではなく、間を置いて複数回録って
みてはどうでしょう。松浦さんの熱心なファンならお分かりになると思いますが、彼女はバラード
系の曲はツアーの回数を経る度に、歌唱がどんどん進化します。ハロー!のアーティストとしては
あり得ない進歩を見せるように感じます。ですからツアー初期に“ならし”をしてから本番レコーディングに
臨むという手もありかと思います。今回のように出来映えが良ければファンも納得するのではないでしょうか?
アートワークも合格点でしょう。前作のようなジャケと音の齟齬もなし。コスチュームを含め
セピア色、夕暮れ色の世界観で統一されてます。ちなみに初回限定版を買ったらカードが5枚も付いてきました
(しかも一枚は「W 映像の世界」と重複した番号)。CDじゃなくてプロ野球カードかと勘違い
しそうな企画ではありますが、中身が良ければ腹も立ちません。
c/wもある意味最高ですね。往来を歩きながらはじめて聴いたんですが、人目もはばからず爆笑
してしまいました。「I KNOW」「満月」(藤本美貴)を狙ったDISC0/FUNK路線ですが、
どうにも音が薄い上にグルーブ感がほとんどない。黒人には絶対作れない音でしょうね。
ペラペラのリズム隊、シャリシャリしてるキーボード&ストリングス、そしてどうしていいのか
わからないので、とりあえず正確に歌ってみてしまった松浦のボーカル。ほとんど演歌なコブシ
回しもあります(笑)。キッズたちのボーカルもいい感じに焦燥感を与えてくれます。
歌詞の抽象性から鑑みると「I KNOW」再現を狙ったものでしょうが、頼むアレンジャー間違えてますよ。
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10月20日(水)
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