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ビバ彦♂日記
by ビバ彦
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■「X3」ばかり聴いてます(ネタバレあり)。
既発曲、リミックスは飛ばして新録曲ばかり。仕事しながら。エンドレス。
ハロー!作品ではいつ以来か?

疾走するジャズファンク「恋してごめんね」(この曲のオルガン&ベースかっけー!)
はもちろんのこと、クレジットを見た段階で一番期待できなかった6分超えの大作(?)
「LOVE TRAIN」に大ハマり。

ここで表現されているのは、胸ときめく未来の明るい恋ではなく、疲弊した暗い
日常を引きずった恋だ。「笑顔に涙」のその後の世界。基調は真夜中にふと起きた
ときの不安、焦燥。

トラックはあからさまな打ち込みドラムマシーンと特色のないスクラッチが基本の
シンプルなもの(色を添える程度のエレピがやや印象的ではある)。だからこそ、
松浦のささやくようなザラついたボーカル/ボイスが前に出てくる。異様な説得力を伴って。
「恋」を「こひ」、「会いたい」を「会ひたひぃ」と歌うアンニュイ松浦。
サンドペーパーで擦られたような乾ききった痛々しいボイス。このザラつきには
多様な木目がある。抗いがたい官能性が、常習性がある。ほんとヒサブリに中毒の
ようにリピートしてる、せざるを得ない。

美声で一世を風靡したポップアイコンが荒廃した迫力ボイスに転ずるのはマリアンヌ・
フェイスフル風とも思ったり(アンチクライストを匂わせるドラッギーな“背徳性”は、
人生/仕事といった小市民的リアリズムでの“疲弊”に置き換えられているが)。

新録曲全般に関して。「T・W・O」のような各曲が色々な方向に中途半端に派手
な作品よりも、全体的にある程度トーンの一貫しているこちらの方が優れている
ように思う。「First kiss」が名作たりえたのは、アルバム曲のトラックが比較的
シンプルなバンドサウンドを基調としていたからじゃないのか。やはり、彼女は声
に色々な表情がある。アルバムという長尺であれば、バックトラックは声という
最大の楽器を生かすためのものであるべきだろう。

アルバムトータルでは、既発のシングルがどうにもこうにもな出来なので、1stの
奇跡は起きてはいないかも。「ね〜え?」、SALT5はいいにしても、「夏男」、「THE LAST NIGHT」
それに「YEAH!めっちゃホリディ!」のリミックス(大した出来じゃない。ヲタミックス
の方がレベル高い?)って。

でも俺はこれでいいです。作品として、家のオーディオ機器に入れて何回も聴きたく
なる作品だから。非ヲタの前で「これ、いいよ」って勧められる作品だから。

黒くて、煙たくて、爛れたNEW松浦亜弥。アイドルあややが好きな人は
“ひく”可能性もあるけど、俺は全面支持。だって俺は“歌手”松浦亜弥が
好きだから。
そして、“歌手”松浦亜弥が好きな人は期待していいと思います、「X3」。
12月19日(金)
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