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活字中毒R。
by じっぽ
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■『ノイタミナ』の苦悩と『サザエさん』『ちびまる子ちゃん』の逆襲
『創』2009年5月号(創出版)の特集記事「変貌するマンガ市場」の「マンガ原作のアニメ化、実写化をめぐる現状」(中川敦著)より。
(マンガ原作のアニメ化についての各テレビ局の現状を紹介した項の一部です)
【(日本テレビの場合)
これまで月曜19時台に放送されていた『名探偵コナン』と『ヤッターマン』がゴールデンタイムから撤退。この4月からそれぞれ土曜18時と日曜7時に移行する。これはテレビアニメ全体の苦境を象徴しているように見える。日本テレビ編成局映画編成部チーフプロデューサーの中谷敏夫氏はいう。
「コナンとヤッターマンは、日本テレビ系列の看板アニメですから、確かにさびしい気はします。ただ、苦しい中でもがいた結果、一つのヒントが見えてきた。昨年、話題となったものに8月に放送された『デスノート』の特別番組があります。深夜で放送していたアニメを再編集プラス新作カットという形で放送したのですが、視聴率は11%を超えました。北京五輪の裏だったにも拘わらず、非常に健闘したと思います」
『デスノート』については、07年8月に放送された総集編も視聴率15%を超え話題になった。人気コンテンツを再利用し、ディレクターズカット版として構成する手法はテレビアニメでは例がない。
「ドラマと比べアニメは腐りにくい。2年続けてゴールデンのタイムテーブル上で“戦力”として一定の結果を出せたことは、地上波民放のアニメの存在意義の一端を感じさせるものでした」(中谷氏)
一般的にアニメ制作のコストは高く、DVD等のマルチユース展開がないと、CM収入だけで資金を回収することは難しい。通常10年単位で回収できればよしとされるが、最近は不景気のため短期回収を求められるという。必然的に今までとは違った形のコンテンツの有効利用が進められつつあり、コミック原作への関わり方も少しずつ変化してきている。
「これからは、アニメ単体ではなく、ドラマ、映画との連動で考えていくことになるでしょう。出資・回収の構造はそれぞれ違うので、テレビ局の中で一枚岩でやることは難しいですが、一社がトータルで担当したほうが、ライツ処理の煩雑さは軽減できる。これは出版社さんにとっても魅力的ではないかと思います。アニメ、ドラマ、実写映画を複合的に展開することができれば、ある程度の規模にはもっていけると思います。デスノートも単純に映画だけではあそこまでいかなかったでしょう。具体的なことはまだ言えませんが、そうした展開を模索中であることは確かです」(中谷氏)
(フジテレビの場合)
『働きマン』、『ハチミツとクローバー』、『のだめカンタービレ』などをはじめ、放送を終えたばかりの『源氏物語千年紀Genji』も話題を呼んだフジテレビ「ノイタミナ」枠。コミック原作を中心とするラインナップで、若い女性をはじめとする新しい視聴者の獲得に成功した。スタートから丸4年が経過した現在も、視聴率は5%を出すこともあり、同時間帯としてはかなり高い。だが、編成制作局編成部主任の松崎容子氏はこう話す。
「そろそろスキームの限界を感じてきています。視聴率はたまに6%台が出て、うっかりするとゴールデンの番組に勝ってしまうほどですから悪くはありません。しかし、1クール、分野はドラマ、手法はアニメという方針だと、クオリティコントロールの問題もあり短期間ではリクープできないことがわかってきました。DVDの落ち込みは想像以上でした」
DVDが売れない時代に、1クールで製作費を回収するのは至難の業だ。同枠で放送されていた『怪〜ayakashi』や『墓場鬼太郎』など放送終了後もDVDが売れる枠品もあるが、多くの場合が放送期間内での回収は困難だという。
「ターゲットを限定したコアな作品を作れば別なのですが、『働きマン』や『ハチクロ』など、いわゆるアニメファン以外の方々向けの作品だと、視聴率がDVDの売り上げに比例しないんです」(松崎氏)
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04月16日(木)
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