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活字中毒R。
by じっぽ
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■『デトロイト・メタル・シティ(DMC)』の作者・若杉公徳さんを驚かせた「雑誌連載中に人気が下がった回」
『QJ(クイック・ジャパン)・vol.79』(太田出版)の『デトロイト・メタル・シティ(DMC)』特集の「『DMC』作者・若杉公徳インタビュー」より。取材・文は吉田大助さん。

【インタビュアー:クラウザー1世が初登場する65話、素晴らしかったです。根岸=クラウザー2世の「もう」は名言中の名言ですね。

若杉公徳:やらなくていいのに、やっちゃうんですよね。そこは今までやってきた責任感が働いちゃうんですよ。健気ですよね……。

インタビュアー:1世は最初から出す予定だったんですか?

若杉:いや、最初はまったく何も考えてないです。「名前に2世って付いてるけど、なんだろうな?」と読者に思わせるためだけにやってました。もし担当編集さんに「1世がいないのに2世は変じゃないか」と言われてたら、直してたかもしれないくらいです。

(中略)

インタビュアー:1世のキャラクターはどう作っていきましたか。

若杉:もともと『DMC』の一番最初の打ち合わせでは、クラウザーはメイクを落とすとおっさんっていう設定で、彼が主人公のギャグ漫画だったんですよ。でも、『ヤングアニマル』は若い人が読む雑誌なので、若い人を主人公にしたんですね。ギャップで笑いを取るためには、メイクを取ったら若くてかわいい男、という方がよりハマるかなとも思ったし。それで、1世を出すことになったので、ボツになったおっさんが出てきました。

(中略)

インタビュアー:『DMC』が驚異的なのは、一話完結スタイルのギャグを続けているところですね。時おり長編ストーリーも入り込んでくるけれど、ページのなかにギャグは欠かさないし、終わった後には必ず基本形に戻ってくる。連載を続ける大変さから考えても、ついストーリーだけになってしまいがちだと思うんですが。

若杉:一話読み切りは、やらないとイヤなんですよね。長編が終わったらまた読み切りを描いて、ちゃんとギャグを描いてオチをつけて、そういうバランスでやっていきたいんです。理由は単純で、これはギャグ漫画なので。6巻も最初の5話はショートネタが続いていて、ジャギ(和田)がビジュアル系バンドに入りかけたり、カミュ(西田)が秋葉原で活躍したり、それぞれのキャラのプライベートを描いているので読んでもらいたいですね。クラウザーの「48のポリ殺し」も、1巻で出したっきり(TRACK4)だったので、またやれて良かったです。ただ、6巻は根岸が1世に負ける回まで収録されているんですけど、雑誌ではその回で人気が下がったらしいんですよ。主人公が負けると下がるみたいで。読者はそこまで感情移入しているんだなあと思うと嬉しいですけど、勝たせるための負けですから! 連載では1世編はもうそろそろ終わるので、決着を楽しみにしてください。

(中略)

インタビュアー:毎回新しいネタを生み出す大変さはありながらも、描けば描くほどネタのデータベースが広がっていくというふうに考えれば、もしかして描きやすさも出てくる?

若杉:あ〜、そういう部分はあるかもしれないですね。でも、描けるからってあんまりダラダラ続けるのはどうかなと思うので。テンションが落ちたと言われないように、終わるときはスパッと終わらせたいと思ってます。

インタビュアー:ちなみに、ハロルド作石さんの音楽漫画『BECK』への競争心は?

若杉:好きだからこそ、『BECK』ではやれないことをやりたい、と思って描いてます。結構元ネタにしてる部分も多いんですけど(笑)。『BECK』を読んで音楽を始めた人って多いと思うんですけど、『DMC』読んで音楽を始めた人っていないだろうなぁと思うと、ちょっと寂しいです。

インタビュアー:きっとゼロではないですよ(笑)。

(中略)

インタビュアー:最後に、今後の『DMC』について、野望を聞かせてください。

若杉:ギャグ漫画なので、面白くて笑える、というところにだけは気をつけて続けていきたいです。それと、クラウザーさんをバカボンのパパくらい、いろんな人に知ってもらいたい。ギャグのキャラクターといえばクラウザーさん、って思われるように頑張ります。】

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08月22日(金)
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