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活字中毒R。
by じっぽ
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■「ゆでたまご」が語る「『キン肉マン』でいちばん気に入っているワザ」
『オトナファミ』August 2008 No.13(エンターブレイン)での「『キン肉マン』生誕29周年特集」より。『キン肉マン』の作者・ゆでたまごの嶋田隆司先生へのインタビュー記事の一部です。ちなみに、「ゆでたまご」は嶋田さんと中井義則さんの二人を合わせたペンネーム。
【インタビュアー:ゆでたまご先生は作画と原作に分かれてお二人で作業されていますが、何故そのような手法に?
嶋田隆司:最初は大阪の公団住宅を借りて、ふたりで描いていたんです。ストーリーも画も共同作業で。相棒で画担当の中井義則は小学校からの友達なんで気心も知れていたんですけれど……ひとつ屋根の下で住むと、最終的には、箸の上げ下ろしまで腹が立つようになるんですよ(笑)。それで、1回ボクから「もう『キン肉マン』をやめたい」って、連載を始めてホントに間もない頃に思いまして。編集さんに相談したところ、「ストーリーと画を分けてみたらどうか?」と。ボクはストーリーを作るのが好きだったし、中井のほうが画は上手かったので、5〜6話くらいから別々にやりだして、それからはスムーズに進みましたね。
(中略)
インタビュアー:プロレス方向へシフトしたことで、苦労したことはありますか?
嶋田:ボクたちのマンガって必殺技がすべてだと思うんですよ。”いかに格好いいワザを考えられるか”という部分は、連載時にすごく苦労しました。ワザの開発のために仕事場にいつもフィギュアを置いていて、それを組み合わせて新ワザを考えて。ふたりで実際にワザを掛け合ったり、なんてこともしてみました(ワザ)ボクはね、必殺技を”超人だから何でもアリ”という方向にはしたくなかった。読んでいる子供の視点に立って……学校でマネしたくなるようなワザを登場させたかったんです。キン肉バスターにしても、パロスペシャルにしても、そういう意識があったからこそ生まれたんですね。まあ、怪我をされて問題になったり、なんてこともありましたけど(苦笑)。
インタビュアー:ちなみに先生がいちばん気に入っているワザは何ですか?
嶋田:やっぱりキン肉バスターでしょうね。シンメトリーになっていて綺麗なんですよね。ほかにもいろいろなワザを考えましたけど、キン肉バスターは超えられなかったですね。返し技のキン肉バスターは、ふつうなら”リバース・キン肉バスター”とかになるんでしょうけど、そこに子供たちの好きそうなウンチクを入れたかった。それで出てきたのが「6を9に」なんですよ(笑)。
インタビュアー:今回発売されるDVD−BOXに付いているキンケシも一世を風靡する大ブームになりましたね。
嶋田:近くのデパートに行ったとき玩具売り場にガチャガチャがあって、子供がすごく並んでいるんですよ。「何にこんなに並んでいるのかな?」と思って、自分で並んでみたんです(笑)。それで、いざガチャガチャの前にたどり着いたら、自分の描いているキン肉マンのだった。その時に”これは何かが来るぞ!”って、体が震えましたね。
インタビュアー:そういうヒットの手応えは連載時ではなかったですか?
嶋田:そうですね。キンケシのときが初めて受けたショックだったと思います。もちろんその後、毎週何万通って来る超人投稿でも感じましたけどね。実はね、あの投稿で本当に床が抜けたんですよ。連載して4年くらい経っていたころかな? まだクリーニング屋の2階に下宿していたんですよ。そこに投稿が詰まったダンボールの箱が毎週のように届いて、それを置いていたら床が抜けて。それで下宿をやめて引っ越すハメになったんです(笑)。】
参考リンク:キン肉バスター(Wikipedia)
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『キン肉マン』生誕29(ニク)周年、というこということで、今年はアニメのDVD−BOX発売など、さまざまなイベントが予定されているようです。現在は、『週刊プレイボーイ』で、『キン肉マンU世』が連載中。
「キンケシ」が大ブームになったのは、僕が小学校の頃で、まさに「直撃世代」ですから、とても思い出深いマンガでもあるんですよね。「キンケシ」を友達同士で交換したり、超人たちの必殺技を真似したりしたものでした。
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07月13日(日)
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