ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「採用のプロ」が語る、新卒者の面接で聞いておきたい「たったひとつの質問」
『はたらきたい。』(ほぼ日刊イトイ新聞・ほぼ日ブックス)より。
(「第1章・面接試験の本当の対策」での河野晴樹さん(「リクルート」入社後、人材派遣事業の運営を推進し、現在は人材紹介会社「KIZUNAパートナーズ」の代表取締役である「採用のプロ」)と糸井重里さんとの対談の一部です)
【糸井重里:以前は、河野さんも新卒の面接をやっていたわけですよね。
河野晴樹:ええ、おもに最終面接ですね。
糸井:今、実際に働いている社会人でさえそうなんだから、働いたことのない学生さんたちにそんなこと(この会社は何をしてお客さんをよろこばせているか、ということ)を聞いても、わからないでしょう。
河野:ええ、もちろんわかっていてほしいのですが、そういう人ばかりではありませんね。ですから、本当のことを言っちゃうと、新卒の面接をやる場合、「君がさ、これまで大切にしてきたことって何?」という、ものすごく概念的な質問で十分なんですよ。
糸井:ほぉー‥‥。
河野:「本当に大切にしてきたことは何? あるの? ないの?」って。
糸井:うん、うん。
河野:「それは、言葉になってるの?」。そういうことですね、聞きたいのは。
糸井:その話を聞いているだけで、わくわくしますね。
河野:ははは(笑)。
糸井:いや、つまり、面接官がそう思ってるんだって知ったとき、「聞いてもらえた!」といううれしさと、「やばい、聞かれた!」というあせりと、どっちかの反応しか、ないですよね。
河野:はい。その場面では、すごい答えなんて期待してないんですよ。でも「やばい、聞かれた!」と悲しそうな顔をした人は採用できない。だけど、そこで、うれしそうに話をしてくれる人がいたら、あ、仲間になれそうかな、と思えるんです。
糸井:うん、うん。
河野:うれしそうに目をぐるぐるさせながら考えてくれる人も、すっと答えられる人もいるんだけど、本当のことを言ってるかどうかは、きちんと伝わりますからね。
糸井:そこは、わかるもんなんでしょね。バッターボックスに立ってる数が違うわけですから。
河野:だから、お辞儀の角度がどうだとかそういうことは、ほんっとに、心の底から、どうでもいい。そんなことで落とす会社があったら、むしろ入らなくて本当に良かったね、と。何をどれだけ大切にしてきたか、ということをこちらに伝えてくれるかどうか、なんです。
糸井:つまり、この人といっしょに仕事をやりたいと思えるかどうか。
河野:それに対する答えだって、全然大したことじゃなくていい。サークル活動なんかでも「俺、主将じゃなかったからなぁ」なんて考える必要はない。たとえば、サークルを辞めそうになった人を、引き止めた。これ、素晴らしいことじゃないですか。
糸井:ええ、素晴らしいですね。
河野:あるいは、高校生までウソつきだったけど、大学生になってからはとにかく愚直に、目立ちはしなかったけど、ウソをつかずにやってきた。できるだけ、誤魔化さないようにしてきた。これって、答えとして全然OKですよね。
糸井:はい、全然OKです。】
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僕は卒業した大学にそのまま「就職」してしまったので、就職時の「面接試験」というのは受けたことがないのですが、高校の同級生たちが「何社落ちたか覚えてない……」「まだ内定がもらえない……」などと疲れた表情で愚痴っていたのはよく覚えています。
服装とかお辞儀の角度というような「面接試験で好印象を与えるための技術」というのはしばしば耳にするのですが、「採用のプロ」である河野さんが、「そんな付け焼刃の礼儀作法は関係ない」と語っておられるのを読んで、僕はちょっと驚いてしまいました。面接って、なんのかんの言っても「そういうところ」をみるのだと思っていたから。
ここで河野さんが語られている、新卒者採用時には、「あなたが本当に大切にしてきたことは何?」、という質問だけで十分、というのを読んだ多くの人は「それでいいのか」とホッとしたのではないでしょうか。
今後の人生で面接を受ける可能性は低い僕でさえ、なんとなく安心しましたし。
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06月05日(木)
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