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活字中毒R。
by じっぽ
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■「コンビニで一番万引きをする人って、誰だと思う?」
『牛丼一杯の儲けは9円』(坂口孝則著・幻冬舎新書)より。

【以前、あるコンビニの店長と話をしていたときのことです。
「一番万引きをする人って誰だと思う?」と訊かれるので、「学生? いや、サラリーマン? もしかしたら主婦っていうのもありそうですね」という答えをしたところ、「違うよ、バイトの店員だ」と返ってきました。
 どうやら、そのコンビニでは最も利益を減らす悪玉となっているのは、アルバイト店員のようなのです。
 そこから小売業に携わっている友人の何名かにも同様の質問をしてみました。すると、同じことをいうのです。「最も危ないのは身内だよ」と。
 見た目の恐い人が万引きしていて、それを注意できない、くらいであれば微笑ましいのですが、店員自身が万引きしてしまうのだから救いようがありません。
 スーパーなどでは、女子高生がレジに立つことがあります。そこで、その彼女の友人がレジに並ぶと、そのまま素通りさせるようなこともあるようです。後ろに客が並んでいたら、そんな芸当もやりにくいでしょうが、時間帯を選べばやれないことはありません。それに、後ろに客が並んでいたとしても、同じものをまとめて購入すれば、レジ係が本当は30個のところを10個と計算してもわかるはずもありません。
 スーパーでは、この不正を抑制するために、レジ係ごとの売上げをしっかりチェックしたり、客の様子をうかがったり、商品ごとの保有数を管理したり、レジにも監視カメラを設置したりしています。
 小売業は利益が1〜2%程度であることは珍しくない、と書きました。そんな低利益の商売で、何か1個を万引きされたとしましょう。そうすると、単純計算で50〜100個ほどの売り上げ分利益が吹っ飛ぶことになります。
 せっかく安く仕入れることができたとしても、その仕入れ商品を盗まれてしまってはどうしようもありません。
 かつては、中国にモノを運ぶと必ず数が少なくなってしまう、ということがありました。他に転用できそうなケーブル類や貴金属は、100個送っても、なぜだか90個しか届かない。しかも、それを保管庫に置いておくと、さらに80個になっている。私が付き合っていた中国業者か現地のスタッフが悪かったのでしょう。すっかりなくなってしまうこともありました。
 その他、各仕入れ担当者たちは、現場で働く外国人労働者たちから備品を盗まれたり、材料を奪われたりした経験を持っているようです。
 ただし、私は外国人労働者だけを批判しているわけではありません。外国人と日本人とでは質が異なる、という意見もあるでしょう。しかし、コンビニの例しかり、スーパーの例しかり、ホワイトカラー、ブルーカラーにかかわりなく同じような例が散見されます。
 文房具やコピー用紙は、自分で買うものではなく、「会社から持ってくるもの」という意識の人もたくさんいます。微々たるものであっても、これは社員万引きの一例です。一般的に会社にある文房具は使いにくく効率が落ちるため、私はとても使っていられないので、個人の手に合ったものを探すべきだと思います。しかし、まあそういうことを気にしない人もいるのでしょう。ただ、だからといって会社のものを盗んできてもよいということにはなりません。
 企業は、これまた多くの監視コストを払って、社員たちに盗ませないような仕組みを作っています。使い切ったペンを持参すれば、新品を得ることができたり、もしくは、一つ一つに申請用紙を書かせたり。信頼があれば、こういう手間暇はすぐにでも軽減されるものです。こういう手間暇は、まさにコストに直結します。】

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 この新書を読んでみると、世の中の小売業というのは、いかに「薄利多売」でやりくりしているのか、ということがよくわかります。
 以前、「コンビニのおにぎりは1個売れても10円も儲からない」なんている話を聞いて驚いたことがあるのですが、この本によると、牛丼一杯を販売して得られる利益は、「9円」なのだとか。「松屋」の2007年3月期決算の営業利益率は2.63%で、吉野家の2007年2月期決算の営業利益率は3.51%、牛丼一杯を350円とすると、前者の利益は9.5円、後者は12.3円になるそうです。

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02月15日(金)
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