ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■コミュニケーション・ツールとしての「口裂け女」
『ダ・ヴィンチ』2007年6月号(メディアファクトリー)の特集記事「よみがえる都市伝説」より「スペシャル対談・大槻ケンヂ×石原まこちんのぎりぎり都市伝説!」の一部です。構成・文は杉江松恋さん、司会は阿部美香さん。

【大槻ケンヂ:都市伝説といえば、最近のヒットは妖怪ゴム人間でしょう。『ダウンタウンDX』で的場浩司が、頭がコンドームみたいになった人間を見たという話をしていたんです。そうしたら石坂浩二が「俺も見た!」って言って、わざわざ番組に出てきたんですよ。

石原まこちん:ええーっ!?

大槻:そのあと、東スポの1面に、「ゴム人間が明治神宮を参拝している写真を撮った」っていう記事が載ったんです。石坂浩二がそれを見て「私の見たものに似ている」と。東スポの結論としては、ゴム人間はケムール人に似てるんじゃないかというんですよ。たぶん、石坂浩二が『ウルトラQ』のナレーションだったことに対するリスペクトだと思うんですけどね(笑)。

石原:すごいですねえ、ゴム人間。それは知らなかった。

――お二人の記憶に残っている都市伝説のキャラクターは何かありますか?

大槻:僕が不思議なのは、人面犬とか人面魚とか、なんで人面に人はこだわるんだろうということですね。

石原:人面蟹までいましたからね。

大槻:ねえ(笑)。動物の体に人の顔をはめこみたい日本人の願望は、どっからきているのだろう。身も蓋もない言い方をすると、人間の想像力っていうのは、意外にレベルが低いんじゃないかという気がする(笑)。妖怪なんかはどの地方に行っても、キャラクターって大概決まっているでしょう。口裂け女っていうのも、口が耳まで裂けてて長い髪で包丁持ってるって、モンスターのデザインとしては弱すぎですよね。

石原:実際に夜道で見たらむちゃくちゃ怖いでしょうけど(笑)。デザインとしては弱いです。

大槻:子供の考えみたいですよね。逆に言うとシンプルだからこそスターになれたのかな。雨宮慶太さんとかが考えるようなデザインだと逆に勝てない。

石原:ああ、絵描き歌にならないとキャラの人気って出ないっていうんですよ。口裂け女は簡単なんで、すごくキャッチーだったんでしょうね。チュパカブラなんかだと少し複雑すぎかな。

大槻:僕はね、口裂け女ダイレクトの世代なんです。あれは学習塾の増殖に関わっているっていう説もあって、インターネットのない時代に他校の子供たち同士が塾を通してする会話のツールとして口裂け女の噂が流れたという。確かに、僕も塾で聞いたんですよ。当時はバリバリ信じてましたね(笑)。僕は西武線沿いの町に住んでいたんですけど、もう新井薬師までは来ているって言われて。あれは、リアルだったなあ。

石原:僕は、最初が人面犬なんですよ。ずっと『ムー』読者だったもので(笑)。あれは信じましたね。小学生のときに友達と探しにいきましたから、多摩川に。でも途中でパンツ拾いとかのほうになっちゃって、パンツ落ちてたんですよ、多摩川。

大槻:エッチした女の子が脱いだまま捨てちゃうんだ(笑)。もう穿きたくないわ、って言いながら。

石原:そうです。汚ねえ!汚ねえって言いながら、後で戻ってきてこっそり拾うんですよ(笑)。】

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 大槻ケンヂさんは1966年生まれ、石原まこちんさんは1976年生まれですから、僕はちょうどこのお二人の間の世代にあたります。「口裂け女」は聞いたことがあるもののまだ小さかったし(田舎に住んでいたので、「どうせ口裂け女は都会にしか出ないだろうと思ってましたし)、人面犬のときは、「世の中にはこれだけたくさん犬がいるんだから、それっぽい犬だっているだろうよ」というような、醒めた見方をするくらいには「大人」になっていたんですよね。


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06月03日(日)
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