ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「行列をつくるラーメン店」の舞台裏
「週刊ファミ通」(エンターブレイン)2006.12/8号のコラム『伊集院光接近につき、ゲーム警報発令中』(伊集院光・著)より。
【このあいだテレビのラーメン特番を観ていたら、ラーメン店の開業をプロデュースするプロと称するオヤジが、脱サラしてラーメン店を始めることにしたオヤジに、店舗の設計図を見ながらのダメ出し。「駄目だよ、こんなに座席を多くしたら、多少お客さんが入ったとしても空いてる感じがするし、行列もできないよ。座席はもう少し減らして入り口を広くする。そうすると外で待っている連中にもよく見えるし、臭いが行くでしょう」だとさ。何が言いたいかというと、「そろそろ”行列”=いい物、いいこと”という取り上げかたは終わりにしませんか?」って話。
先日のプレイステーション3の発売のときもそうだったし、大人気ソフトが発売されるときはいつもそう。このさきWiiやWindows Vistaとかが発売されるときもきっとそうだろうけど、「○○がついに発売。家電量販店の前には長蛇の列ができました。大人気です!」みたいなニュースを必ず見かける。人気がなければ行列なんてできないだろうから、人気があるのは本当の話だろうけど、いまの世の中、工夫をすれば、行列なしで物を売ることなんてできるだろうに……。
最初に書いたラーメン店よろしく、そういう現象を作り出してニュース番組で取り上げさせることで、それを見た本来その商品にまったく興味がなかった人にまで「すごいモノが出たらしいぞ」と思わせる。ここまで想定済みと思われる企業のやりかたに、マスコミがまんまと乗るのはどうなんだろう。中には「店頭で先着順に売ればこうなることはわかっているのに、近隣住民に迷惑をかけてまでお祭り騒ぎを演出するメーカーや店舗のやりかたに問題はないのでしょうか?」とか言う切り口だってあっていいと思う。まあ「テレビのスポンサーはどこ?」って考えれば絶対ないか。挙げ句の果てには、インターネットオークションで法外な値段で転売って……。
ちなみに、プレイステーション3は10万台弱出荷したうちの約5000台がネットオークションに出品されていた。ニンテンドーDS Liteもいまだに店頭では品薄で、ネットでは転売の嵐だし……。どうにかならないのかね、人気ゲームの販売の現状は。】
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この「ラーメン屋プロデューサーのオヤジの話」などを読んでいると、「わざわざ座席を減らして客を行列させるような店になんて、誰が行くか!本当に味に自信があるんなら、座席増やしたほうが儲かるはずだろ?」と憤ってしまうのですけど、「行列」には、たしかにある種の宣伝効果があるのも事実なんですよね。
例えば、初めて行くデパートのレストラン街で、1件だけ大行列の店があって、残りの10件は閑散として店主が頬杖ついてタバコとか吸っていたとします。もしそのレストラン街の店について全く予備知識が無かったとしても、「行列している店がものすごくおいしい」のか、「それ以外の店がよっぽどひどい」かのどちらかだと、ほとんどの人が想像してしまうはずです。「行列のできる法律相談所」なんていう人気テレビ番組があるように、「行列」というのは、ある種の「信頼」だというふうに考えられてもいるわけです。
それにしても、伊集院さんも書かれているように、現代の日本では、「発売日に朝早くから(あるいは、前日の夜から!)行列しなくてもすむような方法」というのは、いくらでもあるはずです。例えば、コンサートのチケットのように電話予約にして、予約番号を店頭で言えば引き取り可能にすることだってできるでしょうし、最初から予約のみの受付にしてしまうことだってできるでしょう。むしろ、発売時の混乱を避けるために、そうしている店のほうが多いはずです。
でも、世間的に大きく「報道」されるのは、ごく一部の「発売日に大量に店頭販売をする店」のほうで、結局、量販店側にとっても宣伝になるために、「行列販売」は、「ドラゴンクエスト3」の時代から、ずっと続いてきているのです。たぶん、メーカー側も販売店側も、これを「改善」しようという意思そのものが、今のところはないのでしょうね。
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11月27日(月)
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