ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「発明対価」をめぐる仁義無き戦い
徳島新聞の記事より。
【青色発光ダイオード(LED)の発明対価をめぐる訴訟の控訴審が十一日に東京高裁で和解したことを受け、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授(50)と日亜化学工業(本社阿南市)の小川英治社長(67)が十二日、それぞれ記者会見した。「司法は腐っている」と高裁を痛烈に批判した中村教授に対し、小川社長は「一人による発明ではないことが認められた」と納得の表情をみせた。
◆不満足 怒り心頭 中村教授、司法批判
中村教授は和解を受けて、急きょ帰国した。「まったく不満足。怒り心頭です」。東京の霞が関ビルの一室で、そう切り出した中村教授の記者会見は、東京高裁での和解内容、日本の司法に対する憤りに満ちた激しい批判、非難の言葉が相次いだ。
「(相当対価の)六億円がどこから出てきたのか分からない。まず六億円ありきの和解案」「裁判官は提出した書面さえ読んでないのじゃないか」。次から次へと批判の言葉をまくしたてる中村教授。高裁への不信感をあらわに声を荒げ、不満を爆発させた。
和解案を承諾した理由については「高裁に判決を求めても最高裁で争っても(和解案を)上回る可能性はないようだから」と語る。「地裁判決からすれば和解内容は百パーセント負け。1%でも勝つ可能性があれば、最高裁に行きたかったが弁護士にそれもないと言われた」と無念さをにじませた。
和解内容への怒りは日本の司法制度の在り方にも向かい「裁判は国民にとって(紛争解決の)最後のとりで。それが腐っていたらどうしようもない」と激しい口調で非難を続ける。米国での訴訟経験を踏まえ「(日本の司法制度は)企業側が持っている書類や証拠を開示させることができず、個人が企業と対等に戦えるものではない」と改革の必要性を訴えた。
◆対価でなく経費 日亜社長、時折笑み
「当社の主張が完全に認められた。(青色LEDの開発は)一人の天才が仕上げたように流布されているが、多数の技術者が参画した成果と認められたことで、当社の若い技術者の名誉が回復された」。阿南市内の日亜化学工業本社で開いた記者会見で、小川社長は時折、笑みも浮かべながら満足そうな表情をみせた。
「和解でなく高裁判決という選択はなかったのか」との記者の問いには「(中村氏から別件の訴訟が)次々と起こされることが予想され、前向きの仕事に取り組みにくくなる。会社経営という点から、訴訟をいったん終わりにして本業に力を注ぎたいと考えた」と回答。「私としては(和解金は)発明対価というより、今後問題を起こさないための経費と考えている」と淡々と語った。
自らも技術者出身らしく「ほとんどの技術者は仕事に興味を持ち、技術的成果に喜びや楽しみを感じている。単純に金銭に置き換える人はそうはいない」と中村氏を意識してか、強い口調で言い切った。
一方で「事業成果は全従業員の働きの中から出てくるもので、発明対価を正確に算出するのは不可能。不可能な事柄を対象にしている特許法そのものに問題がある。今回の訴訟でクローズアップされたことで、今後は正常化していくのではないか」と指摘した。】
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昨日「これを言うために、わざわざアメリカから日本に帰ってきた」という中村教授の会見の一部ををテレビで観たのですが、そのときの僕の感想は、「ああ、この人はきっと優秀な人なんだろうなあ。でも、この人と一緒に仕事をするのはキツイだろうなあ…」ということでした。現在基礎系の研究職にいる(まあ、腰かけ研究者みたいなものなのですが)僕としては、あの中村教授のエキセントリックな会見は、「こういう人、確かにいるんだよねえ。優秀で業績も申し分ないけれど、なんというか、取り付く島がないような感じの人…」と感じてしまうものだったのです。その瞬間は、「発明対価」の妥当性とかはさておき、「こういう難しそうな人を研究者として雇用し続けて結果を出させた日亜化学工業って、けっこう寛容な会社だったのではないかなあ」とか考えてみたり。
もちろん、そういった面以上に、研究開発者としての能力で、企業にメリットをもたらしてもいたんでしょうけど。
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01月13日(木)
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