ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■『とどろけ!一番』の「長期連載を実現するための驚愕の裏技」
平山:「答案二枚返し」はね、日曜日に受験塾に行って授業参観したんだよ。日曜日は模擬試験のテストの日なのね。僕もいちばん後ろの席に座らせてもらって、テストを受けたの。そしたら、国語の問題が用紙の表と裏にびっしりで、すごい量なんだ。とにかく早くやんなきゃ、時間がなくなっちゃう。「こんなに多い問題をこの時間内でやらなきゃいけないのか!?」って体験がベースになって、「両手が使えたら、右の目で問題を読んで、左の目で答案を見て、というように問題を見ながら同時に解答が書けるな」って(笑)。それが「秘技・答案二枚返し」。その「秘技」っていう発想はないかというと、「ゲームセンターあらし」からだったんだよね。

のむら:いきなり「答案二枚返し」って言われて、「なんですかそれ?」って。「右目で問題見て左目で答案見て、逆立ちで描くんだよ」って。

平山:「そうすると、何分何十秒短縮できる!」(笑)。

のむら:それで自分でも、「あっ、『リンかけ』というより、『あらし』を受験でやればいいのか」ってわかった(笑)。

平山:……この話で僕が言いたいのは、「ちゃんと取材もしてる」ってこと(笑)。

のむら:そしたら自分でもおもしろくなってきて、「平山さん、『四菱ハイユニ』ってどうですかね」「なにそれ?」「書いても書いてもすり減らない鉛筆なんです」「いいね、それいこう!」。2人で新宿の「談話室滝沢」で盛り上がって。その勢いのままやってたんですよね。

――じゃあ、『コロコロ』のマンガは編集主導なところがあるんですね。

平山:『コロコロ』はほとんど、企画ありき。編集会議で、「今度どういうマンガやろうか」って話しあって、たとえば「ゲームマンガをやろう」ってなったあ、「じゃあ、すがや先生に頼もう」ってなる。すがや先生に先に会って、「先生、何をやりましょうか?」って組み立て方ではないんですね。】

参考リンク(1):『ゲームセンターあらし』公式サイト

参考リンク(2):シリーズ連載: 伝説の受験マンガ とどろけ!一番 part1(BLACK徒然草)

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「ゲームセンターあらし」が『コロコロコミック』に読み切りではじめて載ったのが1978年、連載されるようになったのは翌年の秋から。
「とどろけ!一番」は、1980年2月号から連載がはじまり、結局、1983年5月号まで続きました。

 『コロコロコミック』が創刊された1977年というのは、ちょうど僕が小学校に入学したくらいで、創刊号から欠かさずに読んでいた記憶があるんですよね。当時は、「とにかく『ドラえもん』がたくさん載っているマンガ雑誌」という印象でした。
 『ゲームセンターあらし』も大好きで、「炎のコマ」をゲームセンターで試してみてすぐにやられてしまった記憶があります。さすがに、ムーンサルトはやらなかったというか、できませんでしたけど。

 あらためて言われてみると、「あらし」というのは、たしかに、「実際に存在するアクションを描くのではなく、想像の世界を具現化して、マンガとして成り立たせた、エポックメイキングな作品」ですよね。最初に読んだときは、「なんだこれは?」という感じで、マンガのなかで繰り広げられている世界と、ゲームセンターでの実際のゲーム画面のギャップにあきれたりもしたのですが、不思議なもので、その世界に慣れてくると、ゲーム画面のなかに「あらし」の世界を想像するようになってきました。
 その後のファミコンマンガでも、実際のゲームに沿った展開で、ウラ技などを紹介するものが多く、「あらし」ほどぶっ飛んだ作品はありません。
 まあ、だからこそ当時は、「こんなのできるわけないだろ、バカバカしい!」とか子供心に思ってもいたのです。

 のむらしんぼさんの『とどろけ!一番』も、僕の記憶に残っているマンガです。「受験」や「テスト」を題材にしたマンガが、小学生向けのマンガ雑誌に載っていたというのは、すごくインパクトがあって。
「答案二枚返し」も、当時はみんな学校のテストで試していたのですが、もちろんあんなことが現実にできるわけもなく、あとに残されたのは、ミミズがのた打ち回ったような鉛筆の線で汚れた、二枚の答案用紙だけでした。

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06月14日(日)
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