ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■日本に現存している「世界最古の企業」
 もちろん、「歴史と伝統がある」というのは、僕を含む現代の日本人の功績によるものではないので、それだけで他国をバカにしてはならないことではあるのですが、やはりそこには技術やノウハウの積み重ねがあることは間違いありません。そして、この対談のなかで赤池学さんが書かれているように、「生き残ってきた技術」というのは、実際は、「技術を守る」だけではなく、「新しいものに挑戦し、それを自分のものにしていく」という歴史の積み重ねなのです。
「村上開明堂」が、今までの「伝統」にこだわるあまり、「車のバックミラー造りなんてウチの仕事じゃない!」という姿勢の企業だったら、どんなにすぐれた技術を持っていても、すでに歴史の波にのみこまれてしまっているはず。逆に、そうやって「伝統」にこだわるあまり、失われてしまったすばらしい技術というのも、日本にはたくさんあるのだと思います。
 企業として生き残りながら「伝統を守る」っていうのは、ただひたすら同じことだけをやり続けていればいいってわけじゃないのです。

 それにしても、「饅頭作って何百年が評価される国って、世界的に見てもまれ」というのは、あらためて言われてみればその通りなのです。客観的にみれば、「饅頭で成功したら、他のものに挑戦する」というほうが、はるかに面白そうですしね。
 そういう意味では、日本の老舗企業というのは、他国からみると、ものすごく「気持ち悪い」存在なのかもしれませんね。

09月25日(火)
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