ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「発明対価」をめぐる仁義無き戦い
考えてみると、研究者にとっての支えというのは「研究そのものが好き」か「名声」か「お金」しかないわけです。日本の民間企業では、金銭的に若干恵まれる代わりに、大学などの公的機関に比べて「名声を得る」というのはなかなか難しいことですし、中村教授が「自分への客観的な評価」として「お金」を選んだのは、自然なことのようにも思えます。「不満なら最後まで闘うべき」なのにもかかわらず、こうして文句を言いながらも和解に応じた背景には、長引く裁判の煩わしさというのもあるでしょうし、この裁判によって、彼自身の「名声欲」というのが少し満たされたという面もあるのではないかなあ、という気もするのです。僕の勝手な解釈ですが、この人は、実際に8億円もらうことよりも、「あなたの研究には、600億円の価値がある」と言われることのほうが嬉しい人なのではないでしょうか。
中村教授は、「能力があって、チャンスが欲しい人にとっては、アメリカのほうがいい。適当にやりたい人にとっては、日本のほうがいい」と会見で言われていました。正直鼻につく言い方ではありますが、実際にアメリカで研究者としてやっていくのは「常に具体的な結果を求められる」という点で日本でやっていくよりはるかに厳しいところがありますし、この人はこの人なりに、日本の良さみたいなものも理解しているのでしょう。
だいたい、中村教授のインタビューの中には、考えさせられる言葉もたくさんあったのに、テレビで採り上げられたのはエキセントリックに「日本の司法は腐っている!」というシーンばかりなのですから、こういうのも「出る杭は打たれる文化」と言えそうです。
【「(日本の司法制度は)企業側が持っている書類や証拠を開示させることができず、個人が企業と対等に戦えるものではない」】という言葉なんて「日本の司法は腐っている!」なんてセンセーショナルではあるけれど内容は全然ない言葉よりも、はるかに「伝えられるべきこと」だと思うんですけどねえ。
まあ、「優秀な人材」=「万人に愛される人間」とは限らないのですよね。研究の成果とか作品が素晴らしさと「八方美人」とは、相容れないような気もするし、他人にマネできないようなことをする人は、多少なりとも「常軌を逸している」のが、むしろ当然なのかもしれません。
でも「発明対価よこせ!」というのは、ある意味「普通」かな…
01月13日(木)
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