ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「世間は、思った以上に”ふざけたこと”に対して厳しい」
 観客の反応も興味深いですよね。
 会場は「違うじゃないか!』と怒号の嵐となったのか、「まあしょうがねえな、こんな田舎に本物が来るわけないし」とみんな苦笑しながらステージを観ていたのか。
 
 ナンシーさんがこれを書かれたのは、もう20年も前のことです。
 もし、今の「ネット時代」に「加勢大周騒動」が起こっていたら、ネットではどんな反応がみられただろう?と想像してしまいます。
 笑いのネタとして消費されたのか、事務所や新旧加勢大周が「炎上」していたのか、あるいは、「こんな話ばかりマスコミは採りあげやがって!」と矛先が変わっていたのか。

 『エノケソ』とか『美空小ひばり』なんて、「こんなニセモノが出回っているから、要注意!」というツイートがあふれ、ニセモノたちは大炎上したでしょうね。
 そもそも、あまりにも早く「真実」が拡散してしまうため、このような商売は成り立たないかもしれません。

 僕だって、いまのこの「高みの見物」の状況なら、「エノケソ、観てみたかったなあ!」なんて鷹揚に構えていられますが、本物を楽しみにしていたのに、「エノケソ」が出てきたら、「騙されたあ!」と苦笑できるかどうか。

 たしかに「他人を騙そうとすること」は悪い。
 でも、ナンシーさんが書かれているように、「芸能」の世界くらい、ちょっと大目に見るくらいのほうが良いのではないか、と僕も思うのです。
 あんまり「潔癖」すぎる世の中は、かえって普通の人たちを息苦しくさせるだけだから。
 発言しているのは普通の人たちなのに、ネットという「公の場」を意識しすぎて日常生活での正しさのハードルを上げ、かえって自分の首を絞めているのではないか、とすら感じることがあります。
 「芸能」っていうのは、「日常で溜まった緊張を、ガス抜きする場」でもあるはずなのに。

 それに「バカバカしいこと」で、「騙されるトレーニング」を積むことは、もっと大きくて、見極めが難しい「悪」に直面したときに、役に立つような気もするのです。
 とはいえ、「犯人」に「オレに騙されたおかげで、お前もちょっとは賢くなっただろう」なんて言われたら、ものすごく腹が立ちますけどね。

 でもやっぱり、もしタイムマシンがあるのなら、僕も「エノケソ」と、「エノケソ」が登場してきたときの観客の反応を観てみたいものです。

06月21日(木)
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