ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
[10025593hit]
■日清『ラ王』の栄光と挫折
満を持して発売したラ王の価格は、250円に設定した。この高価格ではたして売れるのか不安はあったが、発売するとすぐに、コンビニでは「ラ王みそ」「ラ王しょうゆ」の2品がカップヌードルを抜いて売り上げ1位と2位を争う展開になった。私が「打倒カップヌードル」を提唱してから初めてのことだった。支持層は他のカップめんの購入層が10代の若者中心であるのに比べて比較的年代層の高い男性であることが分かった。
このとき、大変ユニークな宣伝戦略をとった。まず、ラ王のヘビー・ユーザーが20代から30代の男性で、彼らがテレビを最も見ている時間帯が深夜であることを突き止めた。この時間帯はゴールデンタイムにくらべると番組提供料金やCMのスポット料金が安い。そこで「深夜ジャック」と称して、全国ネットされる深夜番組の大半を買ってしまったのである。番組の前後に「提供・日清ラ王」というテロップが流れた。赤井秀和氏と金山一彦氏を起用したCMは、二人がおいしそうにめんをすすった後に、「らお〜」と叫ぶ。これを見て、深夜にコンビニに走る若者が続出し、欠品騒動が起こった。
当時のデータによると、一週間ごとに放送されたCMの総視聴率と、その週のコンビニの売り上げ個数との相関関係が、見事に連動していたのである。CMを入れると週販は一気に跳ね上がった。CMを減らすと落ちた。ところがしばらくすると、CMを増やしても減らしても、ある一定数で変動しなくなった。これは消費者のトライアルが一巡し、リピートの段階に入った証拠だった。ラ王は短期間で定番商品のポジションを獲得したのである。】
〜〜〜〜〜〜〜〜
先週、「日清が、今年8月いっぱいで、『ラ王』生産終了」というニュースが流れてきました。先週発売された『週刊アスキー』の裏表紙には、「ラ王、終わる。」というモノクロの大きな広告が掲載されています。その広告には、「18年間、ご愛食ありがとうございました」という文章が添えられているのですが、僕はそれを見ながら、「そうか、『ラ王』が発売されてから、もう18年も経つのか……」と、時間が流れる速さと自分の年齢を考えずにはいられなくなったのです。
『ラ王』が発売されたのは、1992年。僕は大学生でした。カップ麺のお世話になることも多い食生活を送ってきたのですが、『ラ王』が発売された当時の盛り上がりは、けっこう記憶に残っています。
たしかに、あの時期は赤井秀和さんと金山一彦さんのCMを頻繁に見ましたし、近くのコンビニでも、軒並み「売り切れ」だったんだよなあ。
『ラ王』はちょっと値段が高かったけれど、「みんな同じような麺」だったカップ麺のなかでの「生めん」の衝撃は、非常に大きなものでした。
僕は当時、『ラ王』に対して、「そんなに生めんにこだわるのなら、店でラーメン食べればいいんじゃない?」「コンビニで売っている、使い捨ての鍋入りのラーメン食べればいいんじゃない?」などと思ったのですが、『ラ王』の場合は、インスタントラーメンであるために、「生めん」でも、賞味期限が5か月くらいは必要だったんですね。味ではなく、「長持ちさせるための技術」が、『ラ王』開発の最大の難所だったようです。
いつのまにか、僕は『ラ王』から離れてしまっていました。
まあ、年齢的にも、カップ麺をあまり食べなくなったのはたしかなのですが、『ラ王』も、コンビニのカップラーメンのコーナーで、「あっ、まだちゃんといるいる」という感じで「生存確認」をして、カップヌードルや流行りの「ご当地カップ麺」を買っていたのです。
『ラ王』はなんとなく作るのに手間がかかる、というイメージがありますし。
たぶん、作ってみれば、たいした手間じゃないんでしょうけど。
そう考えると、「ふたを開けてお湯を注ぐだけ」という『カップヌードル』は、本当にすごいよなあ、とあらためて感心させられます。『カップヌードル』以上に簡略化するには、「レンジでチンするだけ」くらいしか思いつきませんし、電子レンジって、意外と欲しいときに目の前には無いんだよなあ。
[5]続きを読む
08月02日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ
[4]エンピツに戻る