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活字中毒R。
by じっぽ
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■『とどろけ!一番』の「長期連載を実現するための驚愕の裏技」
平山:時代の風が吹いたね(笑)。当時からね、アンケートをしょっちゅう取っていて。「どういうヒーローがいいですか?」って聞くと必ず「おもしろくて、勇気があって、いざとなったら強い」――この3要素なんだよね。「おもしろくて」ってところに入ってるのは、ハンサムじゃなくてファニーフェイス。ズッコケたりとかね。だけど、臆病者じゃなく蛮勇を奮う。いざとなったら頼りになって、強い。それはまさに「あらし」だったり「ドラえもん」だったりするんですよ。

のむら:なるほどなぁ。

平山:すがやさんがそれまで書いてたのは、主人公がギャグを飛ばしたりズッコケたりするヤツじゃなかった。昔からある良い男。その1点が引っかかったので、そこを変えてくれって言ったの。

すがや:「もっとブサイクなキャラクターにしろ」って言われて(笑)。それで「釘師サブやん」と「包丁人味平」を参考に作ったのがあらしなんですよ。

平山:ライバルはハンサムなんだよ、のむらさんのマンガでも。ハンサムでスポーツ万能で頭がいいっていうのは、主人公じゃなくライバルのイメージなんだよね。それは、今の『コロコロ』のマンガでも変わらない基本線になってる。

(中略)

平山:「とどろけ!一番」は3回で終わる予定だったんですよ。1月に始まって、3月に終わる。なんで1月号から連載が始まるかっていうと、受験が始まるから。受験に合わせて、「受験のマンガを」っていう発想だった。最初は男の子と女の子の話で、ラジオの深夜放送を聞きながら、お互いに励ましあって受験勉強していて、インスタントラーメンのおいしい作り方も描いてある、みたいな内容で(笑)。

のむら:最初は「月とスッポン」をやろうって話だったんですよね。「中学受験してる子だっているんだよ、さみしくてガールフレンドほしいでしょ」「そらほしいですね」って。それで絵コンテを切ったら、「……しんぼちゃん、なんか違うんだよね」って。

平山:あのね……(のむらしんぼと)ラブコメ、合わなかったの(笑)。

のむら:そう(笑)。だから「しんぼちゃん、『リングにかけろ』にしよう」って(笑)。「あらし」をやろうって言いづらかったと思うんです。僕のプライドを考えて。それで、「えっ、受験じゃなくボクシングですか?」って聞いたら、「違うよ!『リンかけ』で受験をやるんだよ!」って(笑)。「えーっ!?」。頭の中、真っ白(笑)!

平山:180度変えてね。そしたら人気出たんですよ。で、苦しんだのはね、3回目。中学受験を目指してるから、試験受けなきゃいけない(笑)。受験マンガで合格しちゃったら、マンガは終わっちゃう。人気があるのに。「どうしよう?」って苦労したね。

のむら:僕は苦労しなかったんですけどね。平山さんが考えてくれたから(笑)。

平山:それでどうしたかというと、(主人公の)一番がね、100点を取っても合格できない。受からない。張り出してある合格者名に名前がないの。それで、「なんでだ!?」ってなった時、一番のお母さんが言うんだよ。「一番、ごめん。じつは、生まれた年を間違えてた……。まだおまえは、小学5年生なんだ」って(笑)。

一同:(爆笑)

平山:本当は6年生じゃなかった、って。だからまた1年間、受験勉強しなきゃならないってことになったの。ライバルは合格するわけ。でもそいつも、「一番がもう一度やるんなら、俺もやる」って留年するの(笑)。それで無事、長期連載になったんだよね。

のむら:平山さんにいろいろ言われながら、ハッタリをかましながら、読者を引きとめていくコツをね、教えられてましたね。「答案二枚返し」っていうのもあって……。


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06月14日(日)
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