ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■『漢検DS』を大ヒットさせた、「戦略PRによる空気づくり」
 たしかに当時「こんな地味な『お勉強ソフト』が、なんだかすごく売れているな……」と『ファミ通』の売上ランキングを見ながら思った記憶が僕にもありますし、僕も「何かのゲームを買ったついでに」この『漢検DS』を購入したんですよね、実は。まさにメーカーの「戦略PR」の思惑にはまってしまったのです。
 買っただけで満足して、ほとんどやっていないのですけど……

 『漢検DS』は、発売後2ヵ月で、「想定の10倍以上」という55万本を販売したそうなのですが、この新書では、『東京新聞』に記事として掲載された「漢字力 85%が低下実感」という記事が紹介されていました。『日刊スポーツ』にも同様の記事が掲載されており、Googleで検索してみると、現在でもかなり多くのネット上の記事が見つかります。
 僕もこの記事をどこかで読んで、「自分の漢字力に、なんとなく危機感を抱いた」記憶がありますが、この「調査」を行ったのが、『漢検DS』を発売しているメーカーだったとは、当時は意識していなかったなあ。記事のなかには、ちゃんと「ロケットカンパニーが調べた」と書いてあるのですが、新聞や雑誌に広告ではなく「記事」として採り上げられていると、こういう「ゲーム会社のプロモーション戦略」というのを意識しなくなってしまうんですよね。
 もし同じことが『ファミ通』の広告欄に載っていても、僕はたぶん「あー宣伝宣伝」としか思わなかったはず。

 もちろん、「漢字力調査をすること」も、「それをニュースとしてメディアに売り込むこと」も悪いことではありません。調査内容も事実なのだと思います(「漢字力低下」は、大部分のパソコンを使っている人間にとっては、日々実感していることでしょうし)。
 それをアピールして『漢検DS』というソフトを売るのも、責められるようなことじゃないのです。
 それでも、いまの時代というのは、「記事」と「広告」の境界がどんどん無くなってきているのだなあ、ということを考えさせられる話ではありますね。
 この『戦略PR』という新書を読んでみると、「広告」そのものではなくても、「その商品に消費者が興味を持つようなデータをメディア経由で戦略的に流布する」ことは、もう、「斬新な方法」ではないのです。

 もしかしたら、某超有名RPGの新作の「発売延期」も、「『ドラ●ンクエスト9』で遊びたい!」という空気を盛り上げるための「PR戦略」の一環なのかもしれませんね。あまり効果が出ているとは思えませんが……

02月26日(木)
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