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活字中毒R。
by じっぽ
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■花束を贈ってくれた小さな女の子への、某総理の「信じられないお返し」
さて、このA〜Dは、いったい誰でしょう?
この本のなかでは、太平洋戦争後に総理大臣となった29人の人生、そして「辞めかた」が描かれています。福田康夫・前総理の辞任前に出版されているので、あの「私はあなたとは違うんです」については残念ながら触れられていないのですけど。
このなかで、いちばん正解率が高いと思われるのが、まだ記憶に新しい、Cの元総理。
Cは、つい先日、次の衆議院選挙には出馬しないことを発表した、小泉純一郎・元総理です。
このエピソードを読んでいると、いかにも小泉さんらしいな、と感じる一方で、こんな協調性のなさそうな人が、よく総理になって、しかもあれだけの長期政権を乗り切ってこられたものだなあ、と不思議な気分にもなるのです。こういう人が会社の同僚だったら、絶対に「付き合いにくい人」だし、「みんなのリーダーになるタイプ」だとも思えないのに。
次に(ある年齢以上の人にとっては)記憶に残る「総理」であったのは、おそらくAの田中角栄さんでしょう。
僕が物心ついたときには、「ロッキード事件で捕まった、カネまみれの政治家」「陰で自民党を操るキングメーカー」という存在だったのですが、田中角栄という人の生きざまを辿ってみると、当時の国会議員の多くが「名家出身のサラブレッド」というなかで、「成り上がり者」としてのし上がっていくのは、さぞつらかっただろうなあ、とも思うのです。
【首相に就任したとき、ある祝賀会で小さな女の子から花束を贈呈されて感激したAは、すぐにその場で財布から一万円札を取り出して渡したという。】
このエピソードを「カネ至上主義の傲慢な男」の話だと考えるのは簡単だけれど、「自分の気持ちをこういう形でしか表現できない男」の話だと思うと、なんだかとても寂しくなってしまうんですよね。
Bの元総理は、このエピソードだけを読むとちょっと小泉さんに似たキャラクターのようにも思われますが、橋本龍太郎・元総理です。橋本さんはすごい「切れ者」だったのだけれども、他人への気配りが欠けてしまう面があったようです。
当たり前のことなんだけど、総理というのは、「自分の能力」だけではうまくやっていけない仕事なんだよなあ。
そして、Dは、あの「眉毛のトンちゃん」こと、村山富市・元総理。見た目はあんな好々爺でも、実際はけっこう派手な生活をしたんじゃないか、なんといっても「元総理」だし……と思いきや、これほど「見かけどおり」の人も珍しいし、こんな人が日本の総理大臣になったことがあるのだ、ということに驚かされます。
僕はこの村山元総理の奥様・ヨシヱさんのエピソードを読んで、すごく感動してしまったんですよね。ああ、こんな「ファーストレディー」が日本にもいたんだなあ、と。
しかしながら、この「阪神淡路大震災に対する対応の拙さ」が、村山総理の危機管理能力不足を露呈し、辞任につながったのですから、歴史というのは本当に皮肉なものだなあ、と考えずにはいられません。
こうして、「日本の総理大臣」たちについて考えてみると、「理想のリーダー」っていうのは「頭のよさ」とか「人柄」だけではないし、「リーダーとして求められるもの」は、時代によって違っているのだ、ということがよくわかります。
「どうあがいても短命政権に終わるしかなかった」という厳しい状況で「登板」してしまったために、何もできなかった人も多いのですよね。
そういう意味では、小泉さんって、「強運の人」であり、「その強運を維持することの天才」だったのでしょう。総裁になるまでは、「勝ち目のない総裁選に出馬し続ける変人」だとみなされていたのだから。
10月11日(土)
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