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活字中毒R。
by じっぽ
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■『デトロイト・メタル・シティ(DMC)』の作者・若杉公徳さんを驚かせた「雑誌連載中に人気が下がった回」
明日(2008年8月23日)からは、松山ケンイチさん主演の映画も公開される、『DMC』こと、『デトロイト・メタル・シティ』。マンガ好きの間ではけっこう早い時期から話題になっていたこの作品なのですが、この特集のなかで、担当編集者さんが「いまは5巻で累計300万部」と仰っています。
もちろん大ヒット作品ではあるのですが、掲載されていたのが『ヤングアニマル』(白泉社)というそんなにメジャーではない雑誌であったこともあり、世間での認知度は、まだそんなに高くはなさそうです。
それも、今回の映画化により、かなり変わってくるのでしょうけど。
このインタビューには、若杉公徳さんの写真も掲載されているのですが、写真での若杉さんは、けっこう朴訥な好青年、という印象です。ああいうマンガを描くのだから、それこそ、「クラウザーさん」のような人なのではないかと期待してしまうのですが、「ギャグ漫画を描き続ける」というのは、マメさと論理的思考力が必要なのかもしれないな、と僕はこのインタビューを読んでいて感じました。
そういえば、『こち亀』こと『こちら葛飾区亀有公園前派出所』も頑なに「一話完結型」を守っているギャグマンガですよね。なかには、『キン肉マン』のように、ギャグマンガだったはずが、いつのまにかストーリーマンガに「転向」して成功した例もあるのですが。
読者からすると、「長編」のほうが気合が入っているように感じるけれど、描く側からすれば、毎回ちゃんと笑わせるところやオチをつけなければならない(そして、次の回はまた一からはじめなければならない)「一話完結」のほうが大変な仕事のようです。「ギャグマンガ(とそれを描くマンガ家)は、ストーリーマンガに比べて短命」だと言われていますし。
僕がこのインタビューを読んでいていちばん興味深かったのは、若杉さんが「連載中に主人公・根岸が『負けた』回で人気が下がった」と仰っていたことでした。
いや、『北斗の拳』のようなヒーローマンガや『キャプテン翼』のようなスポーツマンガ(……って例がいちいち昔のマンガですみません)では、「主人公を応援している」読者が多いというのはよくわかるんですよ。でも、『DMC』のようなギャグマンガでは、若杉さんも仰っておられるように「勝つための前フリとしての負け」であり、「負けるのもネタのうち」じゃないかと……
ところが、読者はやっぱり、「主人公が負けるとイヤ」みたいなのです。
みんな、クラウザーさんが好きだし、それがギャグの一部であっても「負けてほしくない」のだなあ。
ずっと「主人公が圧倒的に勝ち続ける」マンガでは面白くないに決まっているのですが、やっぱり「主人公が負ける」と、なんだかもどかしい。
もしかしたら、『DMC』をギャグマンガとして読んでいない人も、けっこういるのかもしれませんね。
08月22日(金)
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