ID:60769
活字中毒R。
by じっぽ
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■「僕が人の話を聞く時に、絶対にやらないようにしていることが一つあります」
阿川:私の基本は、できる限りその人に関心を示して、「聞きたい」という誠意を尽くすこと。それから、話してくださったことが面白ければ、自分が次に何を質問しようかと考えるより先に、まず「面白い!」と反応する。】
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「話し上手」になれそうもない僕としては、「それならばせめて聞き上手に」なんて考えることがよくあるのですが、実際は人の話を聞いているうちにすぐイライラしてきてしまうんですよね。「聞き上手」になるには、ただ座って、人の話を聞いていればいいってものじゃないのです。
この鼎談では、「『他人の話を聞くことを生業のひとつにしている3人」が、「本当の聞き上手」について語っておられるのですが、「聞き上手」を目指す僕にとっては、非常に役立つ内容が盛りだくさんです。
人の話を聞くときって、やっぱり「真剣に聞かなくては!」って相手をじっと見つめてみたり、自分が事前に勉強してきたことを相手にほのめかしてみたりしたくなりますよね。少なくとも、世間でよく言われている「コミュニケーション教本」には、そうするべきだと書いてあります。
しかしながら、実際に相手を真剣に見つめていられる時間なんて、よっぽど興味がある異性でもないかぎり、どんなに相手が凄い人であっても10分や15分くらいのものでしょうし、見つめられるほうも、あまりに張り詰めた空気に満ちている状況では、ちょっとしゃべりにくいですよね。最初にあまりに緊張していると、疲れて気が抜けてしまったときとの落差が目立ってしまい、「もう飽きてるな」というのが一目瞭然になってしまいますし。
まあ、ここで紹介されている「部屋でボケッと座っているような感じ」なんていうのは、誰にでもできそうにみえて、実際はよほどの「達人」でないかぎり難しいのではないかと思います。人の話を聞くのって、けっこう疲れますし、大部分の人は、ボケッと座って聞いているつもりでも、時間が経ってくると、自分も何か言いたくなってくるか、話を切り上げたくなってくるものなのです。
さきほどは、【「聞き上手」になるには、ただ座って、人の話を聞いていればいいってものじゃないのです。】って書きましたが、本当にそれができれば、まさに「達人の域」なのだよなあ。
ここに書いてあることは、簡単そうに聞こえるけれど本当はなかなかできないことばかりで、実行するのはなかなか難しいと思われるのですが、その中で、御厨さんが仰っている【僕が話を聞く時に、絶対にやらないようにしていることが一つあります。それは相手の話をまとめないこと。】というのは、覚えておいて損はなさそうです。
いや、僕も外来で患者さんの話を聞いているときに、忙しいとついつい「ああ、それはこういうことですね」ってまとめてしまいがちなので、これを読んで反省しました。
僕が話す側だった場合も、自分が一所懸命何かを言おうとしていて、でもそれがうまくまとまらなくて、という状況で、相手に「要するに、あなたの言いたいことはこれでしょう」というのをやられると、すごく興醒めしてしまうのです。
その理由のひとつは、「自分が紡ごうとしていた言葉を奪われてしまう寂しさ」。そしてもうひとつは、「僕の話はまとまりが悪くて聞きづらい」と相手に思われてしまったんだな、という自己嫌悪。
そんなふうに「まとめたがる人」って、自分で頭が良いと思っていそうな感じなので、「いや、僕が言いたかったのはそんなことじゃないんです!」って反論しづらいじゃないですか、相手にも明確な悪意がないだけになおさら。
本当は、「なかなかまとまらないなかで、なんとか結論に近づいていくこと」というのは、その「まとまらなさ」も大事な結論の一部なわけです。
「他人の話をまとめたがる人」って、自分では「俺って頭いいなあ。みんな感心してるだろうなあ」なんて思い込んでいそうなのですが、実際は、「あの人と話していると、なんとなく気分が悪くなるんだよね……」と敬遠されていることも少なくなさそう。
僕は昔、先輩にこんな話を聞いたことがあります。
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08月28日(火)
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